XRPが12%急騰──トレーダーは「ストラドル」戦略で大きな価格変動に賭ける
  • XRPは過去24時間で12%急騰し、7月28日以来の最高値に達し、ビットコインやイーサリアムを上回るパフォーマンスを示した。
  • この価格上昇は、デリビットにおけるオプションのブロック取引、特にボラティリティへの強気な賭けであるロングストラドルによって特徴づけられた。

決済に特化した暗号資産(仮想通貨)であるエックス・アール・ピー(XRP)は、過去24時間で12%急騰し、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の両方を上回るパフォーマンスを示した。この2桁の上昇により、XRPの価格は3.32ドルに達し、7月28日以来の最高水準となった。

この価格上昇は、デリビット(Deribit)におけるオプションの高度で先見性のあるブロック取引、つまりボラティリティへの強気な賭けによって支えられている。ブロック取引とは、資産のその時点での市場価格への影響を最小限に抑えるために、店頭取引(OTC)で公開オーダーブックの外で実行される大規模な取引だ。

7日に実行された最初のブロック取引は、8月29日満期のコールオプションとプットオプションを、権利行使価格3.20ドルで10万枚同時に購入するものだった。トレーダーは、どちらの方向への激しい価格変動からも利益を得られる、いわゆるロングストラドル戦略に41万6000ドル(約6120万円、1ドル147円換算)を超えるプレミアムを支払った。同様の大規模なストラドルは、権利行使価格3.10ドルでも成立した。

デリビットのアジア事業責任者、リン・チェン(Lin Chen)氏はCoinDeskに対し、この方向性を持たない大規模な資金フローは、XRPに対する機関投資家の関心の高まりを示していると述べた。

「XRPは今年、BTCを上回るパフォーマンスを示しており、現在、ブロック取引とXRPオプションに対する機関投資家の関心が急激に高まっている。この需要に応えるため、年末満期のXRPオプションも開始した」とチェン氏は述べた。

[デリビット上場のXRPオプションのブロック取引(Amberdata)]

トレーダーは、重要な決算発表、重要な裁判所の判決、重要な商品の発売などの大きなボラティリティイベントを予想しながらも、その影響が強気か弱気か不確かな場合にストラドルを使用する。ロングストラドルのリスク・リターンプロファイルは、無限の利益の可能性と限定的なリスクによって定義される。

偶然にも7日、米証券取引委員会(SEC)とリップル(Ripple)は第2巡回控訴裁判所への控訴を取り下げることに共同合意し、長期にわたる法廷闘争が終結した。リップルは、国境を越えた取引を促進するためにXRPを利用している。

限定的な損失、無限の利益の戦略

ロングストラドルの最大損失は、コールとプットの両方に支払ったプレミアムの合計額に限定される。

だが、価格は理論上は無制限に上下に変動する可能性があるため、最大利益は無限だ。損益分岐点に達するには、価格がいずれかの方向に、支払ったプレミアムの合計額と同額分だけ変動する必要がある。

オプションは、トレーダーを強気または弱気のボラティリティから保護するために設計されたデリバティブ契約だ。コールオプションは原資産の上昇傾向に対する保険を提供し、プットオプションは市場の暴落に対する保険を提供する。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:CoinDesk
|原文:XRP Surges 12% as Traders Bet on Big Price Swings with ‘Straddle’ Strategy