香港上場のIVDメディカル、イーサリアムに約30億円を投資──医療資産などのトークン化に活用

- IVDメディカル・ホールディングスは、医療資産のトークン化戦略を支援するため、イーサリアムに1900万ドルを投資した。
- 同社は、オンチェーンでの所有権確認と収益分配の自動化にイーサリアムを活用する。
- IVDのこの動きは、ハッシュキーグループとの提携に沿ったものであり、他の香港上場企業と同様に暗号資産の財務基盤を強化するものだ。
また1社、香港企業が暗号資産(仮想通貨)を財務に追加したが、単に保有するだけでなく、より積極的な活用を計画している。
IVDメディカル・ホールディングス(IVD Medical Holdings)は、1億4900万香港ドル(約28億3100万円、1香港ドル=19円換算)相当のイーサリアム(ETH)を購入し、この資産を現実資産(RWA)トークン化戦略の核心に据えた。
同社は、医薬品関連の知的財産権やその他の医療資産をトークン化するプラットフォーム「ivd.xyz」を構築中で、このプラットフォームはイーサリアムのスマートコントラクト上で稼働する予定だ。
CoinDeskへの声明で、最高戦略責任者(CSO)のゲイリー・デン(Gary Deng)氏は、イーサリアムをコア資産として選択した理由として、「世界でも最も成熟したスマートコントラクト・プラットフォーム」であり、「極めて高い流動性」と機関投資家の認知度を挙げ、アメリカ証券取引委員会(SEC)のイーサリアム現物ETF承認についても指摘した。
IVDは、トークン化された資産のオンチェーン所有権の確認、自動収益分配、コンプライアンス・ガバナンスにETHを活用する計画だ。
また、同社の計画するIVDDステーブルコインの決済レイヤーとしても機能し、香港とアメリカのコンプライアンス枠組み内でのクロスボーダー取引を可能にする。RWAの取引からの収益は自動的にETHに換算され、財務部に預け入れられるという。
IVDはまた、ETHをステーキング、リステーキング、オンチェーンデリバティブに展開し、リターンと流動性を向上させつつ、下値保護を追加する計画だ。この動きにより、IVDは香港証券取引所(HKEX)上場企業で暗号資産を保有する少数派の企業グループに加わったが、現状ではその大半はビットコイン(BTC)を好んでいる。
ボーヤ・インタラクティブ(Boyaa Interactive)は、ほぼすべてのイーサリアムをビットコインに換金し、3100BTC以上を保有している。メイツ(Meitu)は2021年に約3万1000ETHと約940BTCを購入したが、その後、これらのポジションを売却した。
その他の小規模なビットコイン保有企業には、ユシン・インフォテック(Yuxing InfoTech)が78BTC、ムーン(Moon)が18.88BTC、ウォルナット・キャピタル(Walnut Capital)が株主からの寄付で10BTCを保有している。
IVDのこの動きは、香港でライセンスを取得した暗号資産取引所ハッシュキーグローバル(HashKey Global)を運営するハッシュキーグループ(HashKey Group)との広範な提携の一環として行われた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Hong Kong’s IVD Medical Adds $19M Ether to Its Treasury