サークル、世界的大手フィンテック企業と提携──USDC決済を5兆ドル規模の国際送金に導入
  • FinastraはサークルのステーブルコインUSDCを自社の決済ハブに統合し、銀行がこのトークンを用いて国際送金を完了できるようにする。
  • この統合は、1日あたり5兆ドル(約735兆円、1ドル147円換算)のフローを処理するFinastraの「Global PAYplus」で開始され、迅速かつ安価な決済を可能にすることで、コストのかかるコルレスネットワークへの依存を減らすことを目指している。
  • この動きは、金融機関の間で、従来の決済手段の代替としてステーブルコインへの関心が高まっていることを浮き彫りにしている。

ロンドンに拠点を置き、世界最大級の銀行に金融テクノロジーを提供するFinastraは27日、自社の決済ハブをサークル(Circle)のステーブルコイン、USDコイン(USDC)に接続し、銀行がこのトークンを用いて国際送金を完了する選択肢を得られるようにすると発表した。

この統合は、1日あたり5兆ドル(約735兆円)超の国際決済フローを処理しているFinastraの「Global PAYplus(GPP)」で開始されると、両社はプレスリリースで述べた。

この動きは、価格が主に米ドルなどの法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)グループであるステーブルコインが、従来の決済チャネルの代替として大手金融機関によってますます検証されていることを浮き彫りにしている。決済大手のストライプ(Stripe)とペイパル(PayPal)はすでに独自のステーブルコイン基盤を保有しており、複数の大手銀行や大手小売企業も独自トークンの保有を検討していると報じられている。

ステーブルコインは、ブロックチェーン基盤を用いることで、24時間体制のほぼ即時決済を低コストで行うことを可能にすると、支持者らは主張する。コインベースは、米国における規制の明確化と企業による導入の加速を背景に、ステーブルコイン市場が現在の2700億ドル(約39兆6900億円)から2028年までに1兆2000億ドル(176兆4000億円)に成長すると予測。USDCは市場で2番目に大きなステーブルコインで、690億ドル(約10兆1400億円)の供給量を誇る。

法定通貨による指示を維持したままUSDCでの決済を可能にすることで、銀行は、手数料の高さや処理時間の遅さから批判されることの多いコルレスネットワークへの依存を減らせると、サークルとFinastraは述べた。

FinastraのCEO、クリス・ウォルターズ(Chris Walters)氏は、サークルのステーブルコイン基盤をFinastraのシステムに統合することで、「銀行が独立した決済処理インフラを構築することなく、国際決済において革新を起こすために必要なツール」を得られるようにすることを目指していると述べた。

サークルのCEO、ジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、「我々は協力して、既存の銀行システムの規模と信頼性に、ブロックチェーン技術を組み合わせた革新的な決済モデルを、金融機関が試験して導入できるようにする」と述べた。

サークルは今年前半に上場し、急成長するステーブルコイン市場へのエクスポージャーを投資家たちが求めたことで株価が急騰。同社は、決済向けに設計された、「アーク(Arc)」と呼ばれる独自ブロックチェーンも開発している。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:
|原文:Finastra Taps Circle to Bring USDC Settlement to $5T Global Cross-Border Payments

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