- シカゴ・マーカンタイル取引所のイーサリアム先物市場では、建玉が過去最高を記録し、100億ドル（約1兆4700億円、1ドル147円換算）を超えた。
- イーサリアムへの機関投資家の関心が高まっており、大口建玉保有者は今月初めに過去最多の101人に達した。
- イーサリアム価格は今月23%急騰し、4900ドル超の史上最高値を記録。
シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）の規制されたイーサリアム（ETH）先物市場は、ビットコインからの資金ローテーションが加速する中で、活況を呈している。
同取引所がCoinDeskに提供したデータによると、イーサリアム先物の想定建玉総額は最近、史上初の100億ドル（約1兆4700億円）を超えた。今月初めには、大口建玉保有者の数が過去最多の101人に達した。
想定建玉とは、ある時点でアクティブ、または未決済の契約数をドル換算した金額を指す。CMEは50ETH相当の標準契約と、0.1ETH相当のマイクロ契約を提供している。大口保有者とは、ある時点で少なくとも25枚のイーサリアム先物契約を保有している者のことだ。
過去最高の建玉は、未決済のマイクロイーサリアム先物契約数が50万枚を超え、イーサリアムオプションの想定建玉が10億ドル（約1470億円）を超えるなど、他の記録的な指標と並行して発生している。イーサリアムオプションの建玉は、契約数ベースで年初来最高の4800枚超に達した。
「イーサリアム先物においては、特に機関投資家の参加に関して、復活と新たな熱狂が確かに見られる。当取引所のイーサリアム先物大口建玉保有者は、8月5日の週に過去最高の101人に達した。これは市場参加者にとって重要な指標であり、イーサリアムを取り巻く機関投資家や専門家のエコシステムが強化されていることを示している」とCMEグループの暗号資産（仮想通貨）商品グローバル責任者、ジョバンニ・ヴィシオーソ（Giovanni Vicioso）氏はCoinDeskへのメールで述べた。
「急騰をめぐるより広範なトレンドとしては、ネットワーク活動の増加、企業によるイーサリアムの蓄積、規制面での前向きな進展が、イーサリアムおよびイーサリアムベースのデリバティブの幅広い上昇をさらに後押ししている」と同氏は付け加えた。
イーサリアム市場が活況を呈している一方で、データソースのVeloによると、1契約あたり5BTCのビットコイン標準先物の建玉は13万7300BTC（153億ドル、約2兆2500億円）と低調に推移しており、12月の高値21万1000BTCを大幅に下回っている。
イーサリアムが史上最高値を更新
CoinDeskのデータによると、イーサリアム（Ethereum）のネイティブトークンであり時価総額で2番目に大きいイーサリアムは、今月23%上昇し、一時4900ドルを超える史上最高値を記録した。
米国上場の現物ETF（上場投資信託）は今月、36億9000万ドル（約5424億円）の資金を集め、イーサリアム価格の上昇を裏付けている。SoSoValueのデータによると、この継続的な資金流入により、4カ月連続の純流入となった。
一方、ビットコインETFは8億300万ドル（約1180億円）の純流出を記録し、4カ月続いたプラスの流入の終焉を示唆している。
｜翻訳・編集：廣瀬優香
｜画像：Chicago Board of Trade, 1973, photo courtesy of National Archives and Records Administration.
｜原文：Ether Futures Open Interest on CME Hits Record $10B, Hinting at Institutional Resurgence
