- ビットコインは8月以来初めて12万ドルを突破し、トレーダーたちはリスク資産にとって強気な10月になると予想している。
- ビットコイン先物の建玉は過去最高の326億ドルに達し、暗号資産(仮想通貨)デリバティブ市場における強い勢いを示唆している。
- 米国政府の閉鎖によりETF(上場投資信託)の審査が中断され、次回の米連邦準備制度理事会(FRB)会合を前に経済成長が鈍化する可能性があり、不確実性が加わっている。
ビットコイン(BTC)は12万ドルを超え、トレーダーたちがリスク資産にとって強気な10月に向けてポジションを取る中、8月中旬以来の高水準に達した。
ビットコインは過去5日間で着実に上昇しており、9月下旬の反落から回復した。アナリストたちは、今年の最終四半期にリスク資産を押し上げる可能性のあるマクロ経済の追い風に対する新たな楽観論を指摘している。
デリバティブ市場では、ビットコイン先物の建玉が過去最高の326億ドル(約4兆8000億円)に達し、トレーダーたちがさらなる上昇に向けてポジションを取っていることを示唆している。
オンチェーンアナリストのSkew氏は、ショートポジションも積み上がっており、ショートスクイーズの機会を生み出す可能性があると指摘した。
トレーダーたちは特に、今月末の次回のFRB会合に注目するだろう。これは、政府閉鎖の中で新しい雇用統計が入手できないまま行われる可能性がある。
財務長官のスコット・ベッセント(Scott Bessent)氏は10月2日、CNBCに対し、閉鎖は経済をさらに弱体化させる可能性があるとして、次のように語った。
「GDPへの打撃、成長への打撃、そして働くアメリカ国民への打撃が見られる可能性がある」。
歴史的に政府閉鎖が経済に与える影響は軽微であったが、ドナルド・トランプ大統領が約75万人の連邦職員を解雇すると脅したことが、現在の情勢では影響を及ぼす可能性がある。
アルトコイン関連の現物ETFのいくつかの申請が、政府機関再開後に承認される見込みであるため、アルトコインシーズンの到来への期待も暗号資産への関心を高める可能性がある。
カナリー・キャピタル(Canary Capital)のライトコイン(LTC)ETFは2日に回答期限を迎える予定であり、その他も10日〜24日の間に期限を迎える。しかし、米証券取引委員会(SEC)は2日、政府閉鎖期間中は一切の申請を審査しないと述べた。
ビットコインと同様に、アルトコインも過去24時間で値上がりした。中でもドージコイン(DOGE)は約3%高と、上昇を主導した。広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、同期間に1.5%上昇している。
暗号資産取引会社ウィンセント(Wincent)のシニアディレクターであるポール・ハワード(Paul Howard)氏は、今週初めにはビットコインの反発について懐疑的だったが、過去数日間の上昇の強さを見て強気に転じた。
「ビットコインが7月中旬以来の水準で取引されていることで、時価総額合計は再び4兆ドルを超えている」と、ハワード氏は述べ、次のように続けた。
「11万5000ドルを突破する緩やかな上昇基調が見られ、この水準を維持する可能性が高まっている。CMEのギャップ(CME先物価格の金曜日の終値と月曜日の始値の間の差)が11万ドルの底値を固める役割を果たしている」。
「今後数週間で、12万ドルを超える持続的な上昇が見られると考えている」と、ハワード氏は付け加えた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:10月2日のビットコインの値動き(CoinDesk Data)
|原文:Bitcoin Hits $120K With Traders Eyeing Bullish October Rally


