- BNBの価格が1100ドルを超えたことで、BNBチェーンのネイティブプロトコルへの投資家の関心が高まり、ネットワークの活動が活発化している。
- バイナンス創設者のチャンポン・ザオ氏の支持表明により、BNBチェーンプロジェクトは注目を集め、トークンの時価総額ランキングでの上昇に貢献した。
- BNBの価格は上昇したが、エコシステムにロックされている資産の総額はわずかに増加したにとどまり、トレーダーによる長期的な資金投入が限られていることを示している。
バイナンスコイン(BNB)が1100ドルを超えたことで、BNBチェーン(BNB Chain)のネイティブトークンへの注目が高まり、投資家は手数料やオンチェーンアクティビティを捕捉するプロトコルへと流れ込んでいる。
バイナンス(Binance)の創設者であるチャンポン・ザオ(Changpeng Zhao)氏が最近BNBチェーンプロジェクトを推奨したこともあって、ネットワーク上のアクティビティが増加し、時価総額で5位のこのトークンが新たに注目を集めている。
At the risk of stating the obvious:
— CZ 🔶 BNB (@cz_binance) September 29, 2025
Aster's per-trade fees are lower (cheaper for users).
Lower fees, higher volume. https://t.co/3wbjR2Q5Oh
暗号資産(仮想通貨)市場の参加者は、基盤となる資産が上昇するとそのエコシステムに資金を配分する傾向があり、流動性は当該セクター内に留まりがちだ。手数料を徴収し、注文をルーティングするプロトコルが最初に動き、次にミームコイン、そして知名度の低いファンダメンタルズ重視の銘柄が続く。
パンケーキスワップ(PancakeSwap)のCAKEは過去24時間で約30%急騰した。この動きは通常、主要プールでの流動性深化や主要ペアのスプレッド縮小と連動する。
新規トークンも買いを集めている。アスター(ASTER)は約18%上昇し、BNBの上昇に伴いベータ値の高い資産を求める動きを反映している。
対照的に、フロキ(FLOKI)やサイモンズキャット(CAT)などのミームトークンは未だに顕著な反応を見せておらず、トレーダーがセンチメント主導のミーム投資よりも、実用性とキャッシュフローのストーリーを優先していることを示唆している。
BNBは複数回の試行を経て1100ドル台を回復し、アメリカ取引時間を通じてこの水準を維持した。これはレバレッジ取引ではなく現物需要が上昇を牽引している証拠だ。
一方、Coinglassのデータによれば、BNB連動先物は過去24時間で9700万ドル(約140億6500万円、1ドル=145円換算)超の清算額を記録し、イーサリアム(ETH)関連取引に次ぐ規模となった。
しかしBNBチェーンエコシステム上の総預入資産(TVL)は、BNBが市場平均を上回る上昇を見せたにもかかわらず、過去24時間でわずか2%の増加に留まった。これはトレーダーがトークン以外のネットワーク上での長期金融戦略にまだ資金を割り振っていないことを示している。
例えば、パンケーキスワップの過去24時間における取引手数料収入は130万ドル(約1億8850万円)強にとどまり、7月の平均500万ドル(約7億2500万円)を大きく下回っている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:BNB Breakout Over $1.1K Leaves Bitcoin, Dogecoin Behind, With Ecosystem Tokens in Focus


