パウエル議長の講演を前にドル高が進み、ビットコインは主要な支持線を下回る
  • ビットコインは1%以上下落し、12万1500ドルとなり、200時間移動平均線を下回った。
  • 9月のFOMC議事録によると、当局者は追加利下げの必要性については一致していたが、利下げの時期と規模については意見が分かれており、政府閉鎖によって主要経済指標の発表が遅れた場合、インフレが継続し「盲目的な行動」のリスクがあると警告している。
  • ワシントンで開催されるコミュニティ・バンク・カンファレンスでジェローム・パウエルFRB議長がまもなく講演を行う。

ビットコイン(BTC)が10月9日に重要なサポートレベルを下回り、ジェローム・パウエル(Jerome Powell’)連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を前に米ドルが上昇したため、暗号資産(仮想通貨)市場全体が下落した。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは1%以上下落し、12万1500ドルとなった。10月8日の急騰から反転し、200時間単純移動平均線(SMA)を割り込んだ。バイナンスコイン(BNB)やイーサリアム(ETH)といった主要トークンは3%以上下落した。CoinDesk 20指数(CD20)は1%下落し、4155ポイントとなった。

[ビットコインの価格チャート。:TradingView]

SoSoValueのデータによると、この下落は、アメリカの現物ETF(上場投資信託)への資金流入が続いた後のことであり、8日には総額4億2600万ドル(約639億円、1ドル=150円換算)の流入があった。過去1週間続いた堅調な日次流入はさらに続いている。

主要な法定通貨に対する米ドルの価値を示すドル指数(DXY)は99.10と8月1日以来の高値を付け、ビットコインやゴールド(金)といったドル建て資産の魅力を低下させた。ゴールドは一時1オンスあたり4,000ドルまで下落したが、その後、4030ドルを超えて持ち直した。

パウエル議長は、ワシントンで開催されるコミュニティ・バンク・カンファレンスで講演する予定だ(日本時間10月9日午後9時半から)。アメリカ政府機関の閉鎖によりインフレや雇用といった経済指標の発表が停止している状況下で、トレーダーは金融政策の見通しに関するヒントを模索するだろう。FRBはこれらの指標を金利設定の参考にしている。

8日に発表された9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも、閉鎖への懸念が表明されている。「10月28~29日のFOMCまでに閉鎖が終わらなければ、政策担当者は主要な経済指標について事実上、手探りの状態に陥ることになるだろう」と委員会メンバーは指摘した。

FOMC議事録はインフレへの警戒感を示した

議事録によれば、政策担当者は利下げの必要性については一致していたものの、そのペースの速さについては意見が分かれ、インフレの持続性への懸念が示された。

「大半の参加者は、今年の残り期間において追加的な金融緩和が適切である可能性が高いと判断した」と、9月16~17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は記している。「参加者の過半数は、インフレ見通しに対する上振れリスクを強調した」。

参加者は11対1でFF金利を25ベーシスポイント引き下げることに賛成し、目標レンジを約4%に引き下げた。同時に、19人の当局者の過半数が今年中に少なくとも2回の追加利下げを予想した一方、7人はそれ以上の引き下げはないと予想した。先月発表されたドットプロットは、今年さらに2回の利下げを支持する意見がわずかに多数を占め、基準金利は3.50~3.75%となることを示していた。

議論は、労働市場の弱体化とインフレが再び加速する可能性の初期兆候に焦点が当てられた。しかし、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の貿易関税はインフレの持続的な要因にはならないという見解で委員会は概ね一致していた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Slips Below Key Support as Dollar Strengthens Ahead of Powell Speech

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