- リップル（Ripple）、マスターカード（Mastercard）、ウェブバンク（WebBank）、ジェミナイ（Gemini）は、XRPレジャー（XRP Ledger）上でRLUSDを用いたクレジットカード取引のステーブルコイン決済の試験運用を行なっている。
- この試験は、規制を受けた米国の銀行がパブリックブロックチェーンとステーブルコインを用いて法定通貨カード決済を処理する初の事例の一つとなる可能性がある。
- RLUSDの流通高は10億ドルを超え、ニューヨーク州信託チャーターの下で規制されている。
リップルは、マスターカード、ウェブバンク、暗号資産取引所のジェミナイと連携し、パブリックブロックチェーン上で法定通貨クレジットカードの取引を自社発行のステーブルコインRLUSDで決済する試験を実施する。
11月5日に開催されたリップルのイベント「Swell 2025」で発表された本取り組みは、規制を受けたステーブルコインがコンプライアンスや安全性を損なうことなく、従来の金融インフラを効率化できることを実証することを目的としている。
プロジェクトの中核となるのは分散型決済ネットワーク「XRPレジャー」と、2024年12月にニューヨーク州信託チャーターに基づきリップルがローンチした米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」である。
RLUSDは現金及び現金同等物で完全に裏付けられており、リップルによれば流通高はすでに10億ドル（約1540億円、1ドル＝154円換算）を突破している。
試験では、ジェミナイ・クレジットカード発行元のウェブバンクが、XRPレジャー上でRLUSDを用いたマスターカード取引の決済を検証する。
実現すれば、規制を受けた米国の銀行がパブリックブロックチェーン上で、規制を受けたステーブルコインで伝統的なカード決済を処理する初の事例となる。
四社は規制当局の承認を得た上で、今後数カ月以内にXRPレジャーへのRLUSD導入を開始する。成功すれば、ブロックチェーン基盤の決済を検討する他カードプログラムのモデルとなる可能性がある。
リップルのモニカ・ロング（Monica Long）社長は「目標は、消費者がすでに慣れ親しんだ決済フロー（クレジットカードのスワイプ）のバックエンドに、ブロックチェーンの速度と効率性をもたらすことだ」と述べた。
実用面では、この試験は最終的に、銀行が現在依存している遅く高コストな決済経路を置き換える可能性がある。例えば、加盟店の銀行とカード発行会社間でクレジットカード取引が決済されるまで1～3日待つ代わりに、RLUSDのようなステーブルコインなら、国境を越えた資金移動でもほぼ瞬時に行える。
以前にもステーブルコイン決済を模索してきたマスターカードは、このプロジェクトが規制対象のデジタル資産をグローバルネットワークに統合する広範な取り組みの一環だと説明した。
ジェミナイとリップルは今年、ジェミナイ・クレジットカードの「XRP版」ですでに協業している。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：リップルのブラッド・ガーリングハウス（Brad Garlinghouse）CEO（Jesse Hamilton/CoinDesk）
｜原文：Ripple’s RLUSD to Power Mastercard Credit Card Settlements on XRP Ledger
