- 金に対するビットコインの過去の評価に基づき、ビットコインが今後6~12カ月以内に17万ドルに達する可能性があると、JPモルガンのアナリストらは予測。
- 暗号資産市場の最近の急落は永久先物の清算によって引き起こされたが、レバレッジ解消の最悪期はすでに過ぎ去ったと、6日のメモで述べた。
- 金への投資が増加し、ビットコインが現在相対的に過小評価されているため、JPモルガンは今後数カ月でビットコインに大きな上昇余地があると見ている。
JPモルガンのアナリストらの新たな予測によると、ビットコイン(BTC)には上昇余地があり、しかも急速に上昇する可能性があり、今後6~12カ月以内に17万ドルに達する可能性があると見ている。
今週発表されたメモの中で、ストラテジストのニコラオス・パニギルツォグル(Nikolaos Panigirtzoglou)氏と同氏のチームは、暗号資産(仮想通貨)デリバティブ、特にビットコイン永久先物における最近のレバレッジ解消はほぼ終息しており、新たな上昇局面の舞台が整ったと述べた。
「最近の価格安定化が示唆しているのは、永久先物におけるレバレッジ解消がほぼ終息した可能性が高いということだ」とレポートは述べ、清算の波と、バランサー(Balancer)が攻撃を受けて1億2000万ドル(約183億6000万円、1ドル153円換算)規模の暗号資産が流出した後の10~11月の急落に言及した。
同行の価格予測は、金との比較に基づいている。ビットコインは長年「デジタルゴールド」として位置づけられてきたが、JPモルガンのモデルによると、ビットコインは現在、リスク調整後の適正価格を大幅に下回って取引されている。このモデルでは、ビットコインは金よりも1.8倍のリスク資本を消費すると仮定しており、ETF(上場投資信託)、地金、コインなどを通じた金への民間投資額が6兆2000億ドル(約948億6000万円)であることを考えると、ビットコインの時価総額がそのエクスポージャーに匹敵するには、現在の約2兆1000億ドル(約321億3000万円)から3分の2増加する必要がある。これは、現在の約10万2000ドルから17万ドルまで上昇することを意味する。
これは、ビットコインがこのモデルの推定価格を大幅に上回る価格で取引されていた2024年後半とは全く逆の状況だ。
現在、ビットコイン価格は金に基づいた適正価値のベンチマークよりも約6万8000ドル低い水準にあるとチームは述べている。
この予測は、資産クラス全体で投資家の行動が変化している時期に発表された。個人投資家は米国株と金を買い続けているが、金のボラティリティ上昇に伴い、ビットコインが株式リスクに対するヘッジ手段としてますます好まれるようになる可能性があると、レポートは指摘。中央銀行や個人投資家による最近の金購入額はドル建てで急増しているが、リスク調整後の観点ではビットコインのほうがより魅力的に映る。
JPモルガンは、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的引き締めが広範な市場に波及するとの懸念を軽視。銀行間の流動性は逼迫しているものの、広範なマネーサプライと非銀行部門の流動性は拡大を続けており、株式や暗号資産などのリスク資産を支えているとしている。
とはいえ、同行の予測は単なるセンチメントやモメンタムに基づくものではない。「これは機械的な計算に基づいたものだ」とチームは記している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin’s Fair Value Is $170K, JPMorgan Argues in Gold-Based Model


