- USDTのドミナンスは4月以来の最高水準まで上昇した。
- 歴史的に、USDTのドミナンスの急上昇はビットコインの弱気相場の特徴だ。
テザー(USDT)の暗号資産(仮想通貨)市場におけるドミナンス(支配率)が急上昇し、4月以来の最高水準に達した。これは暗号資産市場全体のリスク回避傾向を浮き彫りにしている。
テザーは世界最大のドルペッグ型ステーブルコインであり、記事執筆時点で時価総額は1840億ドル(約28兆5200億円、1ドル=155円換算)だ。ステーブルコインは暗号資産の購入資金や貸し借りに広く利用される一方、暗号資産市場内におけるドル相当物としても機能し、混乱期には好まれる価値保存手段となる。
つまり市場が萎縮すると、投資家はUSDTや他のドルペッグ型ステーブルコインに資金を預け入れる傾向がある。そして最近の暗号資産市場は圧迫されており、市場をリードするビットコイン(BTC)は今月大きく下落し、約9万7000ドルで取り引きされている。
歴史的に見て、弱気相場ではトレーダーが資本保全を図るためテザーの支配率が急上昇する傾向がある。こうした弱気相場の始まりは、MACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムがゼロを上回るクロスオーバー(左下図参照)を示し、USDTの支配率における新たな強気勢いの再燃と重なることが多い。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Tether Dominance Surges to Highest Since April. What Does it Mean?


