- 暗号資産による損失を補填するために銀行が多額の資本を保有する規制について、見直しが必要だと、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)の議長は述べた。
- これらの規制は「あまり現実的ではない」とFRBの金融監督担当副議長、ミシェル・ボウマン氏は先月述べ、イングランド銀行は現行の形での規制の施行を見送ることを決定した。
- 「当時はビットコインが世界の注目を集めていた」とBCBSの議長は述べた。「今では当然のことながら、誰もがステーブルコインについて議論している」。
フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によると、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)の議長、エリック・テデーン(Erik Thedéen)氏は、暗号資産(仮想通貨)による損失を補填するために銀行が多額の資本を保有する規制を見直す必要があると述べた。
テデーン氏は同紙のインタビューで、米国と英国が規制の施行を拒否したため、新たなアプローチが必要だと述べ、この規制は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような大幅な価格変動を経験しないステーブルコインにも適用されると指摘した。
銀行の健全性規制に関する国際基準を策定するバーゼル委員会が2021年に提案したこの枠組みは、来年初めに発効する予定だった。だが、今年、ステーブルコインが広く普及したことで、見直しを求める声が上がっている。同委員会は、世界各国の中央銀行が所有する組織である国際決済銀行(BIS)の下で運営されている。
「当時はビットコインが世界の注目を集めていた」とテデーン氏は指摘。「今では当然のことながら、誰もがステーブルコインについて議論している。パーミッションレス台帳は、我々が考えていたほどリスクが高いのか?それとも、別の視点で捉える余地があるのか?分析を始める必要がある。だが、かなり迅速に行う必要がある」。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融監督担当副議長、ミシェル・ボウマン(Michelle Bowman)氏は先月、これらの規制は「あまり現実的ではない」と述べた。フィナンシャル・タイムズによると、イングランド銀行(BoE)も現行の形での規則の施行を見送ることを決定した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:バーゼル委員会はスイスのバーゼルにあるBISの建物内で運営されている(Wikimedia, modified by CoinDesk)
|原文:Banks’ Capital Rules When Holding Crypto Need to Be Reworked, Says Basel Chair: FT


