- グレイスケールは、プライバシー重視の暗号資産ジーキャッシュの信託をアメリカ初の現物ETFに転換するための申請を行った。
- この動きは、2025年にジーキャッシュ価格が1000%急騰したこと、そして暗号化され保護された取引への関心が高まっていることを受けたものだ。
- 承認されれば、このETFはプライバシーを重視する暗号資産にとって画期的な出来事となり、デジタル通貨の代替手段に対する投資家の需要の高まりを示唆する。
グレイスケール(Grayscale)は、ジーキャッシュ(ZEC)の価格を追跡するアメリカ初のETF(上場投資信託)の上場を目指している。ジーキャッシュはかつてはニッチなプライバシー重視の暗号資産(仮想通貨)だったが、2025年に暗号資産の主流に躍り出た。
同社は26日午前、米証券取引委員会(SEC)にS3登録届出書を提出。既存のジーキャッシュ・トラストを現物ETFに転換することを目指している。この動きは、2024年に初めてETFに転換されたビットコイン・トラストなど、グレイスケールの他の商品に関する戦略を再現したものだ。
承認されれば、このファンドはアメリカ初のジーキャッシュETFとなり、特に市場全体が苦戦している年において投資家がプライバシー保護型の暗号資産により注目していることを示すシグナルとなる。
ジーキャッシュは年初来で1000%以上上昇し、先月だけでも40%上昇しており、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の両方のパフォーマンスを上回っている。かつて実験的なプライバシーツールと見なされていたジーキャッシュは、着実に進化を遂げ、一部では実用的なデジタルキャッシュと見なされるようになった。
2025年には、ジーキャッシュ版の暗号化トランザクション(取引)であるシールド機能の採用が急増した。現在、ジーキャッシュのトランザクションの約30%がシールドプールを経由し、総供給量の20%から25%が暗号化アドレスで保有されている。この成長によってジーキャッシュは時価総額でモネロ(XMR)を上回り、プライバシー重視の暗号資産として最大の規模となった。
ETF申請を通じて、投資家がこの種のデジタルプライバシーインフラへのエクスポージャーを求めており、現在のところ主要通貨を上回るパフォーマンスを示している暗号資産を支持する用意があるとグレイスケールは見込んでいる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:modified by CoinDesk
|原文:Grayscale Files to List First Zcash ETF in the U.S. Amid 1,000% Rally


