- バイナンス・プレステージは、暗号資産管理において、きめ細やかでプロフェッショナルなアプローチを求めるファミリーオフィス、プライベートファンド、その他の資産配分機関の特有のニーズに対応する。
- この新たな超富裕層向けサービスは、オンボーディング、法定通貨へのアクセス、ストラクチャード商品、資金調達、カストディ、インサイト、レポートを簡素化する。
取引高で世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は11月26日、超富裕層(UHNW)市場向けの新VIPサービス「バイナンス・プレステージ(Binance Prestige)」を発表した。
バイナンス・プレステージは、ファミリーオフィスやプライベートファンドなど、暗号資産管理において高水準の専門的アプローチを求める資産配分者の特定のニーズに対応する。この新たな超富裕層向けサービススイートは、約1年前にバイナンスが開始した富裕層市場向けのアドバイザーや資産運用会社を対象とする「バイナンス・ウェルス(Binance Wealth)」を補完するものだ。
アバロック(Avaloq)の調査によると、資産運用の専門家の半数以上が、暗号資産を顧客エンゲージメントの鍵と見なしている。この数値は昨年の44%から増加した。バイナンスのVIP・機関投資家部門責任者のキャサリン・チェン(Catherine Chen)氏によれば、富裕層の顧客が暗号資産投資を開始する際の支援、特にアジアや中東地域における支援は、暗号資産業界で最も急成長している分野の一つとなっている。
「伝統的な金融のバックグラウンドを持つファミリーオフィスや投資家が暗号資産に強い関心を示し、従来型金融で受けられるような支援やサービスを期待している」とチェン氏はインタビューで述べた。「 富裕層でありながら慎重な投資家が繰り返し指摘する不満点は、暗号資産取引の顧客になるために複数のハードルを乗り越えなければならないことだ。こうした投資家が期待する手厚いサポートを直接受けられないのが問題なのだ」。
バイナンスは現在、VIPホルダー口座を提供している。この口座の資格を得るには、取引所で50万ドル以上の取引実績と適切な量のバイナンスコイン(BNB)を保有する必要がある。VIPホルダー口座システムには4つのカテゴリーがあり、カテゴリー4が純資産額が最も高い層向けだ。
バイナンス・プレステージの資格要件として資産保有額の最低基準は設定されていないとチェン氏は述べたが、このサービスは概ねプライベートバンキング口座開設に必要な資金水準に沿い、1000万ドル規模の資産を自由に運用できる投資家を対象とする見込みだ。
26日のプレスリリースによれば、バイナンス・プレステージは本質的に最高レベルの純資産VIP層を対象とし、6つのコアサービスで包括的なエンドツーエンド対応を提供する。6つのサービスとは、オンボーディング、法定通貨アクセス、ストラクチャード商品、資本調達、カストディ、インサイトとレポートだ。
バイナンスは今後、相続計画などの領域をこのサービスに組み込むことも検討している。
「最終的に目指すのはバランスだ」とチェン氏は述べた。「バイナンスではきめ細やかなサービスを提供するが、結局のところ、我々は銀行ではない。例えば、顧客のために信託を設定することはできない。我々が担うのは、顧客が暗号資産分野で投資目標や財務計画を達成するのに役立つあらゆる手段を把握できるように支援することだ」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Binance Introduces Bespoke Service for Ultra High-Net-Worth Crypto Investors


