ビットコイン採掘難易度が史上2番目の下落、その影響とは?

ビットコイン採掘難易度が史上2番目の下落、その影響とは?

ビットコインマイナー間の競争を示す重要な指標は、15.95%下落──過去2番目に大きな減少となった。

採掘難易度の低下が意味すること

採掘難易度の低下は、一部のマイナーがビットコインの獲得レースから撤退していることを示している。ビットコイン価格の下落によって、マイニングの収益性が低下しているためだ。

一方で、採掘難易度の低下は、レースに残ることを選んだ事業者に有利に働く可能性がある。競争環境の軟化は、マイナーにとってマイニングにかかるコストの削減を意味するためだ。

ビットコインは、協定世界時(UTC)3月26日3時頃に採掘難易度を調整し、3月9日に記録した前サイクルの16.55兆から、13.91兆にとなった。2週間前、ビットコインは過去7年間で最悪の下落となり、まだ部分的にしか回復していない。

マイニングは、大量の電力を消費する強力で特殊なコンピューターを必要とし、マイニング企業は通常、ビットコインを売却したり、ビットコインを担保にして借り入れを行い、高額な設備を購入している。

2016ブロックごとに調整

価格下落は、過去3カ月間の採掘難易度の上昇分をすべて消し去り、12月20日頃の水準に押し戻した。採掘難易度の上昇は、特にビットメイン(Bitmain)のアントマイナー(AntMiner)S9のような古いマシンを運用しているマイナーには厳しい状況だった。

ビットコインの採掘難易度の過去第3位の下落は15.13%、2018年12月に記録された。ビットコイン史上最大の下落は2011年10月に遡る。

ビットコインの採掘難易度は、ブロックの生成間隔を平均10分程度に保つために、2016ブロックごと──通常は約14日ごと──に調整されるようプログラムされている。

ネットワーク上のかなりの量のマイニングマシンが14日間のサイクルの間、運用をストップした場合、残ったマイナーが2016ブロックを生成するための時間は延びる。すると、ビットコインネットワークは次のサイクルで難易度を下げる。

逆に、かなりの量の処理能力がネットワークに加えられ、ブロック生産間隔が短くなった場合、ネットワークは次のサイクルの採掘難易度を上げる。その結果、競争は厳しさを増し、個々のマイナーのビットコイン生成量は低下する。

悪いタイミング

採掘難易度が3月9日に過去最高水準に達していたことは、この17日間、マイニング事業者の状況を悪化させた。つまり3月12日の価格下落のわずか数日前だったため、次の調整まで2週間以上の時間があった。

直近の価格下落とその際、記録的な採掘難易度となっていたことにより、マイニングプールf2poolのデータによると、電力料金を平均0.05ドル/1キロワット時と仮定した場合、この2週間で20以上の古いマイニングマシンが利益を生み出せなくなっていた。

この2週間でビットコインネットワーク上のすべてのマイニングマシンが生成する合計平均演算能力も、3月上旬の118エクサハッシュ/秒(EH/s)から現在は約99EH/sまで低下している。

中国のマイニングプールPoolInの共同創業者兼COO、クリス・ズー(Chris Zhu)氏は3月12日の価格下落の後、その時点の複数の主要マイニングプールでのハッシュレート低下を踏まえ、今後数週間でネットワークのハッシュレートは20~30%低下すると予想していると語っていた。

これにより、ブロック生産間隔は12分近くまで延び、その後、調整サイクルが17日間に延長されたため、マイニング事業者は、より効率的にビットコインをマイニングできるようになるまで、通常よりも3日多く待たなければならなくなった。

とはいえ、現在のサイクルでの大幅な採掘難易度の低下とビットコイン価格が6600ドル超まで回復していることで、PoolInのデータによると、アントマイナーS9のような古いマイニングマシンは、再び日々の利益をわずかに生み出すことができるようになった。

一方、ビットメイン、マイクロBT(MicroBT)、カナン(Canaan)が2019年後半以降に発表した最新かつ強力なマイニングマシンは、より高いマイニング効率を誇り、利益を生み出し続けている。

また3大マイニングマシンメーカーはいずれも、ビットコインの半減期が近づくなか、今後数カ月間にさらなる最上位機種の納入を競い合っている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Coin Metrics
原文:Bitcoin Mining Difficulty Posts Second-Biggest Percentage Drop in Its History

おすすめ記事: