デジタル人民元を「さらに推進していく」、中国人民銀行が明言

中国の中央銀行は「デジタル人民元」の発行を依然として強く推し進めていることを示した。

「中国人民銀行(PBoC)は、強化されたトップダウン設計の国家デジタル通貨の研究開発を間違いなく、さらに推進していく」と同行は4月4日の通知で述べた。

通知は、3日に中国人民銀行の範一飛(Fan Yifei)副総裁が招集したビデオ会議の概要をまとめたもの。この年次会議の目標の1つは、2020年の同行の最優先事項を確認することだった。

DCEP(デジタル通貨電子決済デジタル)、いわゆるデジタル人民元が年次会議で言及されたのは、少なくとも3回目。だが今回は、明確な表現が使われ、プロジェクトに対する以前よりも強いスタンスを示した。

2018年の会議では、同行は「着実なペースで」プロジェクトを追求すると述べた。2019年は国内外の仮想通貨の動向を詳細に見て、オンラインでの資金調達をより厳しく監督しつつ、プロセスを「加速させる」と述べた。

この取り組みは数年にわたるものだが、物理的な紙幣に対する新型コロナウイルス関連の懸念によってさらに強く推進されているようだ。中国人民銀行は2月15日の記者会見で、回収した現金は殺菌して7~14日間保管し、新たに6000億元の現金を流通させると述べた。

国際決済銀行(BIS)の研究者は最近、新型コロナウイルスのパンデミックは、デジタル決済の普及を推進し、世界中の中央銀行でのデジタル通貨についての議論を活発化させる可能性があると述べた。

中国人民銀行は、デジタル人民元の推進とともに、現金流通をより適切に管理するために、現金などの発行・回収システムを改善することを目指している。

その他の優先事項として、偽札の取り締まり強化、大量の現金を管理するためのプログラムのテストなどがあげられた。

通知によると、この会議には、中国人民銀行の各部局のほか、主要な国有商業銀行の関係者が参加した。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:China Will ‘Undoubtedly’ Pursue Digital Yuan, Central Bank Says