ビットコインドミナンス50%割れ目前が意味するもの

世界最大の仮想通貨、ビットコインのドミナンス、つまり仮想通貨市場占有率は、7カ月ぶりに50パーセントを下回る瀬戸際にある。

コインマーケットキャップ(CoinMarketCapのデータによると、記事執筆時点でビットコインは、仮想通貨市場全体の時価総額の50.9%を占めている。また、3月17日(現地時間)には、50.54%にまで落ちている。

2017年以前、ビットコインのドミナンスは常に70%を超えていたが、新種の仮想通貨が生み出され、新規コイン公開(ICO)を通して投資家の手に渡るにつれ、ビットコインのドミナンスは低下していき、2018年1月13日に最低値32.48%を記録している。

しかし、昨年8月11日以来ビットコインのドミナンスは、50%を維持してきた。

アルトコインとの関係

ビットコインは2018年12月以降、3200ドルから4300ドル(約35万7000円〜47万9700円)の間で取引されてきた。最近ドミナンスが低下しているのは、ビットコインの市場が大きく収縮しているのではなく、ビットコイン以外の仮想通貨、アルトコインの市場全体が好調なことに起因しているかもしれない。

ビットコインのドミナンスレート

仮想通貨リサーチ企業、メサーリ(Messariのデータによると、エンジン(ENJ)、バイナンスコイン(BNB)、ライトコイン(LTC)などの仮想通貨の価格は過去90日間でそれぞれ、406%、181%、97%上昇している。

結果として、アルトコイン市場全体の時価総額は、2月6日に2019年の底値510億ドルを記録してから、33%上昇し、現在約690億ドルを記録している。

同期間で、ビットコイン市場の時価総額も、アルトコイン市場ほどではないが、著しく成長している。2月6日時点の時価総額590億ドルから20%上昇し、現在は710億ドル。

ビットコインのドミナンス縮小は、仮想通貨市場がアルトコインのような比較的リスクが高いとみなされている資産が投資家に好まれる、「リスクオン」環境にシフトしつつあることの兆しかもしれない。ビットコインのドミナンスが50%を下回れば、このようなトレンドへの移行がさらに強く示唆されるだろう。

現時点で、仮想通貨市場全体の時価総額は、1406億ドル。2018年1月7日に記録された過去最高額8350億ドルを83%下回っている。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真: Bitcoin image via Shutterstock; Charts from charts.cointrader.pro by TradingView
原文:Bitcoin’s Share of Total Crypto Market Slips Back Toward 50%