【US市場】ビットコイン横ばい、アルトコイン上昇

ビットコイン(BTC)は17日、複数のアルトコインが市場をリードする一方で、4万ドル台で安定的に推移した。

ここ数日のアルトコインの上昇は、暗号資産トレーダーのリスク意欲が高まっていることを示している。特にビットコインとイーサリアムの2%上昇に比べて、パンケーキスワップ(PancakeSwap:CAKE)は20%上昇した。だが人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」に関連した暗号資産ApeCoinは80%下落した。

大きな上昇や下落がときおりあるものの、ビットコインやイーサリアムといった、時価総額の大きな暗号資産は過去数日の不安定な値動きを経て、安定しているようだ。

グローバルな株式市場では、中国政府が16日、自国の株式市場への支援を打ち出したことで、特にアジアの株式市場が上昇している。一部のアナリストは、中国人民銀行(中央銀行)は低金利を維持すると見ており、新型コロナウイルス感染者の増加や地政学的な苦境にもかかわらず、経済成長を維持する可能性がある。

マクロ面では、アナリストは米ドルの上昇幅は限定的と考えており、短期的にはビットコインにプラスとなる可能性がある。投資調査会社のMRBパートナーズは「ロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、米ドルは上昇しているが、これは過去、米ドルが地政学的イベントに対応して上昇していたことを考えると驚くことではない。しかし、上昇の後には一般的に調整局面が続くことになる」とレポートで述べた。

最新価格

●ビットコイン:40,827ドル、+0.15%
●イーサリアム:2,824ドル、+2.96%

●S&P500:4,412、+1.23%
●ゴールド:1,936ドル、+1.49%
●米国10年債利回り:2.19%

ビットコイン取引高は16日に上昇したが、まだ1月下旬の価格下落時や2月下旬のロシアのウクライナ侵攻時などに比べると、低水準にとどまっている。

ビットコイン取引高(CoinDesk, CryptoCompare)

心理的バリア

一部のアナリストはビットコインの上昇を期待しているが、一方でマクロ経済的リスクや地政学的リスクがまだ残るため、慎重な姿勢を崩していない人もいる。

「FRBの利上げは暗号資産投資家を心配させるほどのものではなかったため、新たな購買意欲が強まった」とモバイルデジタルバンク、MinePlexの共同創業者アレキサンダー・ママシディコフ(Alexander Mamasidikov)氏は述べた。同氏は、第2四半期(4−6月期)末に向けて売り圧力は収まり、ビットコインは5万ドルに達すると予想している。

だがそのためには、4万ドルの心理的バリアを決定的に上回る必要がある。現状、「新型コロナウイルスの感染者数が増え、深センがロックダウン(都市封鎖)されるなど、ここ数日、ネガティブなニュースが相次いだことを考えても」ボラティリティは特に高くなっていないと暗号資産投資ファンド、ARK36のミケル・モルヒ(Mikkel Mørch)氏は述べた。

2018年と2020年と同様のリスクオフ環境での下落にもかかわらず、ビットコインを安全資産/価値保存の手段と捉えることは、一部のアナリストのコメントを見ると一貫している。

短期的な横ばい状況にもかかわらず、ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割合)は今年も高止まりしている。一般的にビットコインはアルトコインと比較してリスクが小さいため、下落相場ではアルトコインよりも下落幅は小さくなる。

ビットコインのドミナンス(TradingView)

アルトコイン

HSBCがThe Sandboxと提携し、メタバース参入:約3兆ドルの運用資産を持つHSBCが、メタバース「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」に参入した。ザ・サンドボックスのバーチャル区画を購入すると声明で述べたが、詳細は明らかにされていない。

人気NFT「Bored Ape Yacht Club」に関連したApeCoin、下落:「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」に関連した暗号資産ApeCoinは16日、ApeDAO設立の一環としてBored Ape NFT所有者にエアドロップされたが、価格は大幅に下落している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, CryptoCompare
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes as Altcoins Take the Lead