ブロックチェーンの決済システム、シンガポールが実用化へ──JPモルガンの技術活用

シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局と政府系投資会社テマセク(Temasek)は7月13日、ブロックチェーン技術とデジタル通貨を用いた決済プラットフォームの試験運用を成功させ、報告書にまとめた。

金融管理局(Monetary Authority of Singapore=MAS)とテマセクは、 「次の挑戦は現実世界の課題を解決するための商業ソリューションを実際に実装することになる」と報告書で述べた。

・決済プラットフォーム・プロジェクト「Ubin」は複数の法定通貨に対応。米銀最大手JPモルガン・チェースのブロックチェーンとデジタル通貨における技術を活用。

・プロジェクトは2016年にスタート、2019年11月からの第5フェーズでは、資本市場、サプライチェーン金融、保険などの分野までを視野に入れた。

・Ubinは複雑な金融取引の効率化を実現する。外貨取引やクロスボーダー決済の手数料を削減し、従来のエスクロー口座に代わる安全な代替手段としてスマートコントラクトを使う。

・シンガポール金融管理局は現在、Ubinをユーザーが直接取引可能な、複数通貨に対応したプラットフォームの雛形にできるかを検討している。

・成功すれば、各国の中央銀行にとってのグローバル決済プラットフォームの基礎となる可能性もある(同報告書)

・CoinDeskはシンガポール金融管理局にプラットフォームの将来についての詳細を問い合わせたが、記事執筆時点までに回答はなかった。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Singapore’s Central Bank Eyes Commercial Role for Its Blockchain Payments Tech