株価高騰で注目集める米マイニング企業、水冷技術を開発──高温・多湿のテキサスでテスト

米ナスダックに上場しているビットコインマイニングのライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)は、マイニング機器の新しい水冷冷却技術の試験運用を進める。過酷な温度環境で効率的なマイニング技術を開発するためだ。

ライオットはテキサス州で高効率・低コストのマイニング技術の評価作業を行うため、8メガワット規模の水冷技術の試験を開始すると発表した。試験運用は2021年第1四半期に始まる。

ジェフ・マクゴネガル(Jeff McGonegal)CEOは、成功すれば「特に冷却が主な課題となる温暖な地域で、大規模な水冷技術を利用することができる」と語った。

水冷冷却のメリットとは

高温・多湿の環境では、空冷ではなく水冷によるマイニング機器の冷却方法は、低い利益率に悩むマイナーにとって大きなメリットとなる。

水冷による冷却方法は、ファン冷却に比べて騒音を大幅に削減する。また、水冷冷却は場合によっては、機器あたりのハッシュレートを最大50%上昇させ、機器の使用年数を延ばし、より多くの機器を限られた場所に設置することが可能になる。

しかし、メンテナンス作業における新たな課題がありそうだ。

「マイニング業界は依然として空冷設計が標準であり、空冷設備が依然としてマイニング機器の最初の選択肢となっている」 と、シアトルに拠点を置くマイニング企業、ルクソール・テクノロジー(Luxor Technology)の共同創業者、イーサン・ベラ(Ethan Vera)氏は述べる。

高温・低湿の地域では、マイニング機器は熱を緩和するための費用対効果の高い方法として気化熱を利用する。テキサス州のような高温・多湿の地域では、水冷は熱やホコリ、湿度の問題を解消するためには、最適な冷却方法になるとベラ氏は説明する。

試験運用を行う上で、ライオットはマイニングが困難な温度環境でのオペレーションの改善と、その結果として得られるパフォーマンスの向上を確認する。

出典 : TradingView, CoinDesk Research

ライオットの株価は今年、ビットコインの上昇幅を上回っている。同社の株価は当記事執筆時点で9.37ドル付近で取引されている。時価総額は現在、6億6600万ドル(約690億円)を超えている。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Riot Blockchain and bitcoin percentage gains (2019-2020)
原文:Riot to Test Immersion Cooling Bitcoin Mining Technology in Texas