外部データをブロックチェーンに送る「オラクル」とは?──GWに学ぶ暗号資産キーワード

外部データをブロックチェーンに送る「オラクル」とは?──GWに学ぶ暗号資産キーワード

ブロックチェーンにおける「オラクル(Oracle:神託、神官、巫女の意味)」とは、毎日の気温や選挙での得票数のようなブロックチェーンの外部からのデータをイーサリアムなどのブロックチェーンに送ること、あるいはそうしたサービスを言う。

ブロックチェーンに記述されたスマートコントラクトは、オラクルのデータを使って、例えば、お金を支払うべきかどうか、誰に支払うかを決める。

「天気オラクル」の役目

もう少し具体的な例をあげよう。

農家は、干ばつで作物が全滅してしまったときの保険として、農業デリバティブを購入することがある。たとえば、天候不順で作物のできが悪かった場合、デリバティブから農家に一時金が支払われる。

オラクルは、イーサリアムブロックチェーンのスマートコントラクトがこうしたタスクを自動的に実行することを可能にする。スマートコントラクトはイーサリアムのようなブロックチェーンによって可能になる仕組みであり、事前に定められた条件が一致した場合にのみ実行される。

例えば、作物の栽培シーズンの終わりに、前述の「天気オラクル」はスマートコントラクトに今シーズンは10日以下しか雨が降らなかったことを通知するとしよう。オラクルは情報をスマートコントラクトに直接送り、スマートコントラクトは農家にお金を支払わなければならないことを知る。

逆に、雨が十分に降った場合は、天気オラクルはスマートコントラクトにその情報を伝え、支払いは行われない。

オラクルの問題点は?

ブロックチェーンの最も大きな特長は、スマートコントラクトを実行できることだ。スマートコントラクトは一旦プログラムされると、ブロックチェーンが完全にコントロールする。

つまり、スマートコントラクトに定められた条件が一致すれば、ルールを実行するために信頼できる第三者を必要とすることはなく、取引の実行を妨げる者もいない。スマートコントラクトはプログラムされていることを実行するだけだ。

しかし、オラクルは何らかの組織や団体によって運営されるデータだ。イーサリアムのようなブロックチェーンは第三者に依存しないことを目的に作られたが、オラクルはまさに第三者だ。

オラクルを信頼することは新たな問題を生む可能性がある。例えば、オラクルのデータ元は、スマートコントラクトの実行を自分に有利なものにするために、不正確なデータを送ることができる。あるいは、データをハッキングして、データを有利な方向に改ざんすることも可能だ。

オラクルに依存しないスマートコントラクトには、こうした問題はない。研究者はこうした問題を緩和し、より分散化した、ハッキングに強いオラクルを作り出そうとしている。

予測市場

多くのイーサリアムアプリケーションがオラクルを使っている。

例えば、予測市場のオーガー(Augur)では、参加者は将来の出来事を使って、賭けをすることができる。「ジョー・バイデン(Joe Biden)氏は2024年の選挙で勝つだろうか?」というような賭けだ。

2024年にオーガーはオラクルから送られたデータを使って、バイデン氏が勝ったかどうかを判断し、賭けを確定する。

オラクルサービスの大手であるチェーンリンク(Chainlink)は、オラクルを不正な情報から守るためにさまざまな方法を追求している。

|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Viva Luna Studios/Unsplash
|原文:What Is an Oracle?

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