米大統領の金融作業部会、ステーブルコインの小売り決済利用を警戒

トランプ大統領の金融市場に関する作業部会は、米ドルなどに連動するステーブルコインが小売り決済に利用された場合、金融システムの規制基準を満たすべきとの見解を述べるとともに、国民からの意見を求めている。

同金融作業部会(Working Group on Financial Markets)は12月23日に報告書をまとめ、ステーブルコインがマネーロンダリング対策や監視などにおける適切な要件を満たす必要があると述べた。

「主に小売決済に使われるステーブルコインがアメリカで大規模に採用された場合、関連するリスクは追加的な保護措置を必要とする可能性がある。我々は、そうしたステーブルコインの取り決め、機能、運用、取引、リスク管理の設計に携わる関係者に対して、基本原則に沿ったものとすることを奨励する」

基本原則には、特に金融安定性リスクへの取り組みが含まれている。

アメリカの規制当局は、相互にそして国際的パートナーと協力して、この分野で遅れを取らないようにする必要があると報告書は述べた。

金融作業部会は1980年代後半、当時のロナルド・レーガン大統領が発足させた。財務長官、米連邦準備制度理事会(FRB)議長、米証券取引委員会(SEC)委員長、米商品先物取引委員会(CFTC)委員長らがメンバーとなり、アメリカの金融市場の監視・育成を促す役割を担っている。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Presidential Advisory Group Weighs In on Regulatory Approach to Stablecoins