イーサリアムユーザーを「信奉者」と「投機家」に分類──モルガン・スタンレーの新指標

米投資銀行のモルガン・スタンレーは、トレーダーの動きからイーサリアム(ETH)の値動きを予測する新しい指標「PAVA(Price-Adjusted Volume per Address)」を発表した。

PAVAは、米ドル建てのイーサリアム価格をアクティブウォレットに対するブロックチェーンのトランザクション量(90日平均)で割って算出し、イーサリアムの価格動向を推定する。特に極端な安値状況で有効だという。

「PAVAの主な前提は、ブロックチェーン、特にレイヤー1ブロックチェーンがネットワークとして評価されていること」とモルガン・スタンレーは記している。

PAVAは、市場のファンダメンタルズに基づく値動きと、ネットワークの利用状況に基づく値動きを区別し、暗号市場参加者を2つのグループに分ける。信奉者と投機家だ。

信奉者は、イーサリアムの長期的な価値を確信しており、ステーキングや分散型レンディングなどのオンチェーンプロトコルに参加しているため、ネットワークのトランザクション量が増加し、PAVAが低くなる。

投機家は、イーサリアムエコシステムにはあまり参加しておらず、短期的な値動きに反応するため、アクティブウォレットアドレスの増加がトランザクション量の増加を上回り、PAVAが高くなる。

モルガン・スタンレーは、この指標は市場の極端な上昇よりも、極端な下落を特定することを得意としている述べた。

PAVAは過去数年間、周期的に変化しており、市場は0.1以下で底を打ち、0.29以上でピークを迎える傾向がある。PAVAは最近では、イーサリアム価格が880.18ドルの底値となる2日前の6月16日に0.1を下回っている。

出典:Morgan Stanley

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Morgan Stanley
|原文:Morgan Stanley’s New PAVA Indicator Divides ETH Users Into ‘Believers’ and ‘Speculators’