DEXのマングローブ、ポリゴンのテストネット上で稼働開始──「高度な指値注文」を提供

暗号資産(仮想通貨)の分散型取引所(DEX)であるマングローブ(Mangrove)は、プログラム可能なオーダーブックを搭載し、ポリゴン(Polygon)のテストネットでの稼働を開始したと5月22日に発表した。

パリに拠点を置くマングローブは、これまでに約1000万ドル(約13億8000万円)を調達しており、マーケットメーカーのWintermuteや暗号資産取引のカンバーランド(Cumberland)といった大手企業が支援している。メインネットでのリリースは、来月初め頃に行われる予定だとマングローブは述べている。

2020年のいわゆる「DeFiの夏」は、名のある大企業や機関投資家だけでなく、誰でも金融市場への流動性提供に参加できるという実感を届けた。しかし、このオリジナルのDeFiツールはかなり鈍感なものだったので、開発者たちはその後、この空間を進化させるために必要なインフラを強化するようになった。

マングローブの「アドバンスド・リミット・オーダー(高度な指値注文)」によるイノベーションは、取引の意思がコード片の形をとってIOU(借用書)のように機能することを意味する。例えば、ある価格でETHを売るという注文は、資金をロックする必要なくチェーン上に存在することができる。これにより、トレーダーは注文をキャンセルして資金を回収することなく、その資産を別の場所で使用することができるとマングローブの共同設立者であるビンセント・ダノス(Vincent Danos)氏は米CoinDeskとのインタビューで説明している。

「マングローブで取引の意思を表明すると、マーケットエンジンがそのコード片を呼び出し、流動性が実際に利用可能かどうかを確認し、それを提供する」とダノス氏は述べている。「取引しなかった場合は、あなたの履行しない取引のためにテイカーが被った手数料に関連して、少しの補償または違約金を支払う必要がある」。

このより柔軟な指値注文により、マングローブのユーザーは、ある暗号資産を所定の価格で売却することを申し出るのと同時に、その資産を担保として貸出プラットフォームに預けて受動的な利回りを発生させることができる。「つまり、貯蓄口座を持ちつつ、一定の出口価格で売却することができるのだ」とダノス氏は述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:DEX Mangrove Launches on Polygon Testnet, Plans to Go Live on Mainnet in June

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