- フィリピン議会に提案されている法案は、政府が運営するビットコイン準備金を創設し、20年間固定し、その資金を債務返済にのみ使用するとしている。
- この法案は、国の金融資産の多様化を図るため、今後5年間で毎年2000BTC、合計1万BTCの購入を義務付けている。
- 中央銀行は、四半期ごとに監査を受けるビットコインの安全な保管施設を設置し、民間のBTC所有権が影響を受けないようにする。
フィリピン議会に提出された法案は、政府が運営するビットコイン(BTC)準備金を創設し、20年間は国の債務返済以外には使用できないものとすることで、これまでで最も厳格な国家の暗号資産(仮想通貨)保管ルールを定める内容となっている。
ミゲル・ルイス・R・ビラフエルテ(Miguel Luis R. Villafuerte)下院議員が提出した「戦略的ビットコイン準備金法」は、フィリピン中央銀行(BSP)に対し、5年間に毎年2000BTC、合計1万BTCを購入するように定めている。
「国家は、経済力、特に金融の安定性およびペソの兌換性を維持・促進しなければならない。とりわけ危機の時においてはそれが重要だ。世界金融システムにおける暗号資産の役割が拡大する中、資産の多様化を目的とした措置を講じることは、金融安全保障を確保するために不可欠だ」と法案は明記している。
ビラフエルテ氏の法案では、保有資産は20年間ロックされ、その期間中は政府債務の返済目的以外でビットコインを売却または交換することはできない。保有期間終了後も、中央銀行総裁は2年間で資産の10%を超えて売却することはできない。
1月、同国の財務局は、国家債務が2850億ドル(GDPの60%、約41兆3250億円:1ドル=145円換算)に達したと報告した。
ビラフエルテ氏は法案で、アメリカの戦略的石油備蓄やカナダのメープルシロップ備蓄のような商品型の備蓄から着想を得たと述べている。
レジリエンスを確保するため、同国の中央銀行は全国に地理的に分散したコールド・ストレージを設立し、四半期ごとに公開暗号認証による監査を受け、独立した第三者機関によって検証される。
法案では、フォークやエアドロップされた資産も少なくとも5年間保持しなければならないと規定されており、BTCの私有権は侵害されないことが強調されている。また、国民の保有する暗号資産は没収の対象にならないことが約束されている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk Archives
|原文:Philippine Congressman Proposes Bitcoin Reserve to Attack National Debt


