- オプション市場のデータはコール・プット・スキューの回復を示し、ビットコインとイーサリアムの価格下落に対する懸念が和らいでいる。
- 9月17日に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げに関する決定は極めて重要であり、25ベーシスポイントの利下げが予想されているが、50ベーシスポイントという予想を上回る利下げがあれば、ビットコイン、イーサリアム、ソラナの大規模なラリーを引き起こす可能性がある。
最新のオプション市場データによると、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価格下落に対する懸念は大幅に和らいでいる。しかし、これらの暗号資産(仮想通貨)の次なる上昇のペースは、9月17日に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの規模に大きく左右されるであろう。
データソースのアンバーデータ(Amberdata)によると、インプライド・ボラティリティが1週間後に期限を迎えるコールとプットにどのように分配されているかを測るビットコインの7日間コール・プット・スキューは、1週間前の弱気な4%からほぼゼロにまで回復した。
30日および60日オプションのスキューは、依然としてわずかにマイナスではあるが、先週の低い値からは回復しており、価格下落への懸念が顕著に和らいだことを示している。当記事執筆時点では、イーサリアムのオプション・スキューも同様のパターンを示している。
このスキューは、市場の方向性バイアス、つまりトレーダーが価格の上昇または下落のどちらをより懸念しているかの度合いを示している。プラスのスキューは、コール、つまり強気のオプション戦略への偏りを示唆し、マイナスのスキューは、プット・オプション、つまり価格下落ヘッジへの需要が比較的高まっていることを示している。
このオプションの回復は、17日のFRBによる金利決定を前に、ビットコインとイーサリアムの価格が再び上昇している中で見られている。この会合で、FRBは利下げを行い、今後数カ月にわたるさらなる緩和の基盤を整えることが広く予想されている。
CoinDeskのデータによると、ビットコインは7日間で4%以上上昇して11万6000ドルを超え、イーサリアムは8%近く上昇して4650ドルとなっている。
次に何が起こるかは、差し迫ったFRBの利下げ幅に大きく左右される。CMEのフェデラルファンド先物によると、トレーダーたちはFRBが金利を25ベーシスポイント(bps)引き下げて4%~4.25%とすることを90%以上の確率で織り込んでいる。しかし、50bpsという大幅な動きになる可能性もわずかにある。
もしFRBが50bpsの利下げという予想外の動きを見せれば、ビットコインは熱狂的に上昇するかもしれない。
「予想外の50bpsの利下げは、イーサリアム、ソラナ(SOL)、そしてビットコインにとって大規模な+ガンマの買いシグナルになるだろう」と、アンバーデータのデリバティブ・ディレクターであるグレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は述べ、「金もとんでもないことになるだろう」と続けた。
なお、デリビット(Deribit)に上場しているソラナオプションはすでに強い強気心理を示しており、コールはプットに対して4~5のボラティリティ・プレミアムで取引されている。
マガディーニ氏は、もし決定が25bpsの利下げという予想通りであった場合、ビットコインは穏やかで「着実な上昇」を続ける可能性が高いと説明した。一方、イーサリアムが過去最高値を再びテストし、5000ドルを上回る価格で確信をもって取引されるようになるには、さらに1週間ほどかかるかもしれない、とマガディーニ氏は付け加えた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Midjourney / Modified by CoinDesk
|原文:What’s Next for Bitcoin and Ether as Downside Fears Ease Ahead of Fed Rate Cut?


