暗号資産の価値は、数兆ドル規模の巨大市場をターゲットしていることにある:ビットワイズ
  • ビットワイズのマット・ホーガン氏によると、暗号資産の価値は数兆ドル規模の市場をターゲットにすることから生まれるという。
  • ビットコインの2兆3000億ドルという時価総額は25兆ドル規模のゴールド(金)市場との競争であり、イーサリアムとソラナは数千兆ドル規模の金融フローの一部を獲得する位置づけにある。

ビットワイズ(BitWise)の最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン(Matt Hougan)氏は9月29日に公開されたレポートの中で、暗号資産(仮想通貨)に批判的な人々は、そのスケールをしばしば見誤っていると述べた。

ホーガン氏は、時価総額2兆3000億ドル(約345兆円、1ドル=150円換算)のビットコイン(BTC)はしばしばアマゾン(Amazon)と比較されるが、その価値の源は異なると指摘している。

アマゾンの価値は、毎日何百万人もの人々に利用されていることに基づいている。一方で、ビットコインの価値は、それが競合する市場、すなわち、25兆ドル(約3750兆円)規模の資産であるゴールド(金)に由来しているとレポートは述べている。仮にビットコインがゴールドの市場シェアの10%を獲得するだけでも、現在の評価額は正当化される。対照的に、アマゾンに取って代わることを目指すスタートアップは、その市場をまるごと奪う必要がある。

同様の力学は、イーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)その他のブロックチェーンにも当てはまるとビットワイズは指摘しています。これらは、支払い、決済、トークン化資産の処理といった分野を担う位置づけにある。

レポートでは、世界中の決済企業が年間で1京8000兆ドル(約270京円)を処理しており、株式・債券・不動産の総価値は合わせて665兆ドル(約9京9750兆円)と見積もられているとしている。

こうした莫大な数字が、イーサリアム(ETH)の時価総額約5000億ドル(約75兆円)、ソラナ(SOL)が約1000億ドル(約15兆円)で取引されている理由を説明している。ホーガン氏は、中央集権的な企業とは異なり、分散型プラットフォームはこれほど巨大な市場の一部を現実的に取り込む可能性があると主張している。

また、ホーガン氏は、ステーブルコインのテザー(Tether)にも注目しており、同社は5000億ドル(約75兆円)の評価を模索していると報じられている。一見、テザーとOpenAIやスペースX(SpaceX)のような企業を比較するのは無理があるように思えるかもしれない。しかし、テザーはすでに新興国でのステーブルコイン市場を支配しており、もしUSDTが一部の国で法定通貨の代替として広く普及すれば、その資産規模は数兆ドルに達する可能性がある。その規模になれば、テザーは年間の利益が1200億ドル(約18兆円)というサウジアラムコ(Saudi Aramco’)の過去最高記録さえも上回る可能性があるのだ。

レポートは最後に、投資家に対して、「暗号資産は小さなチャンスを狙っているのではなく、世界最大級の潜在的市場をターゲットにしている」ということを強調している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ビットワイズの最高投資責任者、マット・ホーガン氏(Suzanne Cordiero/CoinDesk/Shutterstock)
|原文:Crypto’s Value Lies in Trillion-Dollar Markets, Bitwise Says

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