EU規制当局、暗号資産の投資リスクを警告

EU(欧州連合)の規制当局が今週、暗号資産(仮想通貨)の投資リスクを警告した。

欧州証券市場監督機構(ESMA)が3月17日に発表した「トレンド、リスク、脆弱性レポート」の中で、欧州監督機関(ESAs)を構成する3つの機関は、一部の暗号資産は「きわめてリスクが高く、投機的である」と警告した。

欧州監督機関:欧州銀行監督機構、欧州証券市場監督機構、欧州保険・年金監督機構からなるEUの金融監督機関

同レポートによると、大部分が規制されていない市場では、投資家は「全財産」を失うリスクがあるとしている。ビットコイン(BTC)や他の暗号資産の最近の史上最高値に示される「重大なリスク」にも触れた。

ESAは、これまでの警告が「引き続きあてはまる」と指摘した上で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対する肯定的な考え方があるとしても、グローバル・ステーブルコイン(法定通貨に連動するデジタル通貨)は依然として規制の監視下にあると述べた。

また、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)メカニズムのエネルギー消費の大きさを指摘し、プルーフ・オブ・オーソリティ(PoA)のようなリソース消費の少ないブロックチェーン・メカニズムを奨励することが重要であると強調した。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW):仕事量によって、発言力が変動するように設計されたアルゴリズムのこと。いわば、マイナーは暗号化された複雑なパズルを解くことでトランザクションを完了させ、報酬を得る。

プルーフ・オブ・オーソリティ(PoA):事前に選ばれた承認済みのアカウントが順番にトランザクションの承認作業を行うアルゴリズム。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:EU Regulators Warn Again on Crypto Investment Risks