ロックダウンから1年、デフレリスクを考える投資家は少ない:ドイツ銀

2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンが世界経済に大きな打撃を与えていた頃、多くの投資家の頭の中には、消費者需要が急減したことによるデフレリスクが大きく膨らんでいた。

世界中の中央銀行が数兆ドルものお金を投下したにもかかわらず、インフレに対する潜在的なリスクヘッジと見られていたビットコイン(BTC)は、1万ドルを下回っていた。

81%はインフレを予測

1年後、そうした見方は大きく変わった。ドイツ銀行の調査によると、ワクチン接種が始まり、エコノミストが景気回復を予測している今、投資家の5人に4人はデフレよりもインフレの可能性がはるかに高いと考えている。

こうした圧倒的な調査結果は2カ月連続で、この見方は定着しつつあるようだ。ビットコイン価格が現在、5万ドルを超えていることは偶然ではないだろう。

「大多数(81%)がパンデミックの後にはインフレになる可能性が高いと考えており、デフレになると考えていた人はわずか10%」(ドイツ銀行)。調査は4月はじめに、世界の約700人の投資家を対象に行われた。

出典 : Deutsche Bank Research

また、約43%の投資家は、予想以上のインフレと債券利回りの上昇が市場の安定性に対する最大のリスクになると回答した。回答者の多くは、アメリカのインフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の長期目標2%を上回るが、3%未満にとどまると見ている。

そして、FRBが月1200億ドルの資産購入を縮小しても市場が大きく動揺することはないと、回答者の約61%は考えている。2013年には当時のFRB議長が量的緩和政策の縮小を示唆し、市場は大混乱に陥った。いわゆる「テーパータントラム」だ。

今年、テーパータントラムが起こると答えた人は約21%、約18%はわからないと回答した。

出典 : Deutsche Bank Research

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Deutsche Bank Research
|原文:A Year After Coronavirus Meltdown, Few Investors See Risk of Deflation: Deutsche Bank