業界を去り、慈善財団を設立するイーサリアム共同創業者──「問題解決者として知られたい」

イーサリアムの共同創業者、アンソニー・ディ・イオリオ(Anthony Di Iorio)氏は、2022年に慈善財団をスタートさせるために、暗号資産業界を去り、経営するベンチャー企業のDecentralを売却する予定と米CoinDeskに語った。

「私は暗号資産が大好きだが、暗号資産の人間として知られたくない。問題解決者として知られたい」

ディ・イオリオ氏によると、新しい組織は同氏が暗号資産起業家として培ってきた原則、さらにはおそらくブロックチェーン技術そのものを使って、同氏が「大きな問題」と呼ぶものに取り組むという。

「暗号資産は私の道具箱の中にある」

新組織の資金には、同氏の保有資産とDecentralの売却資金が充てられる。Decentralは「数億ドル」の価値があると同氏は考えている。2018年、イーサリアム価格が現在の半分以下だった頃、フォーブスはディ・イオリオ氏の資産は10億ドル(約1100億円)にのぼると伝えた。同氏はすでに買収候補者と協議を進めている。

2年前、同氏は自身が設立したウォレットと暗号資産サービスを提供するDecentralを辞し、取締役会長に就任すると発表した。だが数カ月でマネジメント業務に復帰し、フルタイムでの慈善活動への取り組みを先送りしていた。

同氏は、Decentralとの関係を終える一方で、今後の仕事でブロックチェーン技術を他の技術と同様に使うことには前向きと述べた。

「中立的な立場を取るが、暗号資産は私の道具箱の中にある」

すでにPR会社と契約しており、スタッフの採用を含めて「前進し、規模を拡大することを考えている」と同氏は述べた。

財団は業界を超えて、さまざまな問題に取り組む予定だが、ディ・イオリオ氏は具体的な問題は明らかにしていない。同氏はすでに、パラグアイ下院議員でビットコイン支持者のカルロス・レハラ(Carlos Rejala)氏をはじめ、多くの業界のリーダーや政治家と毎週、意見交換を行っている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:アンソニー・ディ・イオリオ氏(Decentral)
|原文:Ethereum Co-Founder Anthony Di Iorio to Sell Decentral and Cut Major Ties to Cryptocurrency