【市場動向】ビットコイン、5万ドルから下落──オプション満期日の影響は

ビットコインは23日、5万ドルを超えたがその後下落、当記事執筆時点では、4万9500ドル前後で取引され、過去1週間で約8%上昇している。アナリストは、27日のオプション満期日とジャクソンホール会議での米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演を前に、しばらくは横ばいになると予想している。

「トレンドは強気、しかし、取引高の低下などがあり注意が必要」とGlobalBlockのトレーダー、マーカス・ソティリオウ(Marcus Sotiriou)氏は語った。

フェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)のケイティ・ストックトン(Katie Stockton)氏は23日のニュースレターに「5万1000ドルは価格上昇の短期的な一時停止の自然な落ち着きどころだろう。ビットコインの長期的モメンタムは強まり、200日(40週)移動平均線は再び上昇しており、長期的な強気の見通しをサポートしている」と書いている。

最新価格


●ビットコイン (BTC):4万9218ドル、+1.14%
●イーサリアム(ETH):3303ドル、+4.25%

●S&P500:4479.5、+0.85%
●ゴールド:1803ドル、+0.57%
●10年物米国債:1.251%(20日:1.261%)

複数のアナリストは、4月以降、極端な買われ過ぎ状態は解消され、ビットコイン上昇をサポートしていると指摘した。

「現在、ビットコインや他の暗号資産は(若干の売られ過ぎになっていたため)テクニカルサポートを享受している。この局面では、政策立案者がインフレ圧力を無視し、規制問題が大きな問題にならなければ、複数の暗号資産は引き続き好調に推移するだろう」とニューヨークの投資顧問会社MRBパートナーズ(MRB Partners)のサンティアゴ・エスピノザ(Santiago Espinosa)氏はコメントした。

出典:CoinDesk

ビットコインオプションの満期

ビットコインオプションの建玉の約25%が27日に満期を迎える。建玉が最も集中しているのは、テクニカル分析上の重要な抵抗水準でもある5万ドル。

「過去数週間でインプライドボラティリティが軟化しているにもかかわらず、5万ドルは大きな心理的障壁であり、建玉の集中は満期に向けて価格が不安定になる可能性を示している」とGenesis Volatilityの共同創業者兼CEO、グレゴア・マガディーノ(Gregoire Magadini)氏は述べた。

オプションデータ提供会社のスキュー(Skew)によると、ビットコインオプション市場はビットコインが9月末までに5万ドルを超える確率を45%と見ている。

27日に満期を迎える建玉の分布
出典:Skew

ビットコイン保有率上昇

グラスノード(Glassnode)のデータによると、利益を上げているビットコインアドレスの割合が3カ月ぶりの高水準に達した。

「最近の実現損の減少は、価格が5万ドルに向けて回復するなか、投資家は長期保有に向けて新たな自信を見つけたことなどを示している可能性がある」とグラスノードは23日、ブログに記した。

出典:Glassnode

アルトコイン状況

VISAがクリプトパンクスの女性画像を15万ドルで購入:カード大手ビザ(Visa)は、クリプトパンクス(CryptoPunks)の女性画像1点を約15万ドル(約1700万円)で購入、ノンファンジブル・トークン(NFT)市場への第一歩を踏み出した。ビザの暗号資産責任者、カイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏は、購入の主な目的は成長市場について学ぶことであり、「NFTは、小売、ソーシャルメディア、エンターテインメント、コマースの将来に重要な役割を果たすと考えている。当社のクライアントやパートナーを支援するために、我々はグローバルブランドがNFTを購入、保管、活用するために必要なインフラ要件を直に理解する必要がある」とブログで述べた。

●テザー社、USDTの発行を再スタート:ステーブルコインのテザー(USDT)の発行元テザー社がUSDTの発行を再スタートさせた。約2カ月間の停止期間は、投資家の懸念や憶測を呼んだ。テザー社は8月1日以降、少なくとも23億USDTを発行し、時価総額は650億ドルに達していると同社広報担当者は述べた。テザー社や専門家によると、暗号資産市場のセンチメントがよりポジティブになっているため、USDTの需要は回復しているという。Genesis Global Tradingのノエル・アチソン(Noelle Acheson氏)は、USDTの需要はビットコイン(BTC)ではなく、取引高が急増しているソラナ(SOL)やテラ(LUNA)など、一部のアルトコインが牽引している可能性があると語った。

USDC、準備金を変更:世界第2位の規模を持つステーブルコイン、USDコイン(USDC)は9月までに裏付け資産を100%、現金と短期国債にする予定だ。USDCの発行を手がけるサークル(Circle)は先月、USDCの裏付け資産の61%は「現金および現金同等物」と発表していた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stalls Near $50K Ahead of Options Expiration Date