ビットコイン、10月の取引増に期待【市場動向】

ビットコインは29日、4万ドル超えのサポートを維持し、狭いレンジでの値動きとなった。1週間で約5%下落し、株式市場と連動した動きを見せている。

今のところ、暗号資産市場は不安定な1カ月を経て横ばいとなりつつある。一部のアナリストは10月、取引高は増加すると期待している。

最新価格

●ビットコイン (BTC):4万1070ドル、−1.5%
●イーサリアム(ETH):2793ドル、−2.2%

●S&P500:+0.2%
●ゴールド:1733ドル、−1.1%
●10年物米国債:1.527%

S&P500との相関関係

この数カ月、ビットコインとS&P500の相関関係は上昇している。最近の株式と暗号資産の下落により、一部の投資家はリスク資産への投資にブレーキをかけた。

アナリストは経済回復を停滞させる可能性のあるインフレも懸念している。例えば、変動が大きいエネルギー価格の上昇により、一部のアナリストはボラティリティを懸念している。経済成長の鈍化は、投資家がボラティリティと経済刺激策の縮小に備えるため、株式や暗号資産にとって逆風となり得る。

S&P500とは異なり、ビットコインとコモディティの相関関係はこの数カ月、低下し続けている。これは主に原油とガソリン価格の上昇によるものだ。

出典:Koyfin

資金調達率は中立

ビットコインの資金調達率はこの数週間にわたって中立となっており、ビットコイン価格が4万〜5万ドルの範囲で変動していることから、先物市場には注意が必要なことが示している。資金調達率とは、パーペチュアル先物でロングポジションをキープするコストを指す。

「先週、資金調達率はプラスのレベルに向けて上昇したが、ビットコインの勢いは週半ばで止まり、現在はゼロ以下に戻っている」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は28日レポートに記した。

さらに、ビットコインの建玉(未決済の契約数)の減少と資金調達率のマイナスになっていることは、先週の中国での暗号資産全面禁止を受けて、トレーダーがロングポジションを解消していることを示唆しているとアーケーン・リサーチは述べた。

出典:Arcane Research

アルトコイン状況

アルゴランドが「Virtual Machine」発表、スマートコントラクトを強化:アルゴランド(Algorand)は29日、アルゴランドベースのアプリケーションの計算能力を高めるためにバックエンドのアップグレードを実行した。また「アルゴランド・バーチャル・マシン(Algorand Virtual Machine:AVM)」は、アルゴランドブロックチェーン上でのプログラム開発を容易にするもの。AVMはアルゴランドでのスマートコントラクト開発を他のブロックチェーン開発者が慣れ親しんでいる「メンタルモデルに近づける」と、チーフプロダクトオフィサーのポール・リーゲル(Paul Riegel)氏はCoinDeskに語った。イーサリアム・バーチャル・マシン(Ethereum Virtual Machine:EVM)は広く使われており、EVMとの互換性はアバランチ(Avalanche)などの新しいネットワークにとって普及拡大のための重要な手段となっている。

R3、DeFiトークンを発表:米ブロックチェーンテクノロジー企業のR3は28日、年次開発者サミット「CordaCon」で、規制に配慮したDeFiネットワークとトークン「Obscuro」を発表した。同社はその後、これは概念実証(PoC)であり、運用開始日は規制当局が決定すると強調した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Koyfin
|原文:Market Wrap: Analysts Expect Higher Bitcoin Trading Volume in October