【市場動向】ビットコイン、6万2000ドル付近まで下落──指標は極端な楽観

ビットコインは21日、約6万7000ドルの史上最高値を維持できず、24時間で約5%下落、6万2000ドル付近となっている。指標は強気センチメントが極端なレベルに近づいていることを示しており、これは通常、価格下落の前触れとなる。

暗号資産(仮想通貨)のFear & Greed Indexは「極端な強欲」レベルに上昇したままで、ビットコインを3万ドル付近で購入した投資家が利益確定を始める可能性を示している。

アナリストはビットコイン先物市場にも過剰な楽観のサインがあると指摘しているが、下落は短期間で終わると考えている人もいる。

「直近の下落にもかかわらず、現在の暗号資産サイクルについては少なくともあと5〜6カ月は非常に強気が続くと見ている」とTaipan Trading and InvestmentsのCEO、ジェームズ・コックス(James Cox)氏は21日述べた。

次に、トレーダーやアナリストは22日に取引が開始されるヴァルキリーインベストメント(Valkyrie Investments)のビットコイン先物ETFを注視することになるだろう。

最新価格

●ビットコイン (BTC):6万2700ドル、−5.54%
●イーサリアム(ETH):4079ドル、−0.69%

●S&P500:4549ドル、+0.30%
●ゴールド:1784ドル、+0.17%
●10年物米国債:1.67%

ビットコイン先物ETF、絶好のスタート

アメリカ初のビットコイン先物ETF「プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF(ProShares Bitcoin Strategy ETF:ティッカー:BITO)」のこの2日間の取引高は大幅なレベルに達した。投資家の強い需要を受け、取引開始からわずか2日間で10億ドル近い資産を集めた。

「このプロダクトの導入は、暗号資産業界にとって純然なプラスとなる。ETFは従来のすべての証券口座で取引されているため、BITOは数千のファイナンシャル・アドバイザーが学習プロセスに耐えることなく、ビットコインへの流動性の高い投資を実現できる容易な手段となる」と金融調査会社ファンドストラット(Fundstrat)は21日、ニュースレターに記した。

「BITOの最初の2日間の取引高がどれほど素晴らしいがわかる。図は、過去最も成功したETFの発売との比較。BITOの最初の2日間は他の2倍で、QQQやGLDと同様に2日目が1日目を上回る良い結果となっている」

指標が示す極端な楽観

暗号資産のFear & Greed Indexは先週、6カ月ぶりの高水準となり、市場参加者の「極端な強欲」を示している。

「この指数がこのような高水準で変動するのは珍しいことではない。11月から4月までの強気相場の間、指数はほぼ現在の水準に留まっていた。突然の急激な下落で恐怖水準に落ち込む期間もあった」とアーケーン・リサーチは19日、ニュースレターに記した。

過剰な楽観はビットコインの先物市場にも見られる。例えば、ビットコインの資金調達率の平均は、8月以来の高水準となっている。資金調達率の上昇は、しばしば一時的な価格下落につながる。

「プラスの資金調達率は市場の前向きなムードを表しているが、きわめて高い数値は、レバレッジが強気サイドに大きく傾いていることを示しており、しばしば価格下落につながる」とCoinDeskのオムカー・ゴッドボール(Omkar Godbole)は伝えた。

アルトコイン状況

AP通信、選挙やスポーツのデータをチェーンリンクに提供:175年の歴史を持つAP通信(Associated Press)は、ブロックチェーンにデータを提供し、スマートコントラクトを起動して取引を実行するシステム、いわゆるオラクルネットワークであるチェーンリンク(Chainlink)に、経済、スポーツ、選挙のデータを提供する。21日発表された提携は、よく知られた主流ブランドがブロックチェーンに参入した事例であると同時に、チェーンリンクがDeFi(分散型金融)を新たな領域に広げようとしていることを示している。

●NFTアーティスト、自身の知的財産の盗用を推奨:コンセプチュアル・アーティスト、映画製作者、法学部教授のブライアン・フライ(Brian Frye)氏は、自身の過去の創作物や発言の盗用を推奨している。この姿勢は、著作権に対する同氏の継続的なキャンペーンの一環であり、同氏をNFTの世界に導いた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Drops as Indicators Show Extreme Optimism