FTXのCEO、海外戦略を語る──現地企業の買収で拡大

暗号資産デリバティブ取引所大手のFTXは、現地企業の買収によって海外への拡大を続けるとサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)CEOが27日、CoinDesk TVで語った。

今後の買収について28歳のビリオネアは、8月に買収したLedgerXに続く買収先を検討していることを示唆した。LedgerXはアメリカを拠点とする認可済みの暗号資産デリバティブ会社、現在はFTXのアメリカ法人であるFTX.US傘下にある。LedgerXを買収したことで、FTXはアメリカでの煩雑な認可プロセスを回避できた。

FTX.USは25日、LedgerXの買収を完了したと発表、現在はFTX US Derivativesと呼ばれている。

バンクマン-フリード氏はCoinDeskの別の記事で「(今後1年ほどで買収に費やす金額が)10億ドルを超えても驚かない」と語っている。買収対象は、規制当局との関係、ライセンス、顧客基盤を同社にもたらすという。FTXは先日、4億2000万ドルを調達し、評価額は250億ドルに達した。

「当社には多くの買収の可能性があり、LedgerXはその始まりだった。終わりになるわけではない」(バンクマン-フリード氏)

スーパーボウルのCM枠を購入

FTXの戦略は、ライバルのバイナンス(Binance)と似たものだ。バイナンスはライセンス契約や提携、買収や投資を通して、ブランドを拡大してきた。つい最近まで、FTXにも出資していた。

FTXは成長を続けている。最近では、アメリカの2つのスポーツスタジアムの命名権を購入。さらに2月13日に開催される米NFLの優勝決定戦「代56回スーパーボウル」のCM枠を購入し、露出を拡大している。

バンクマン-フリード氏は、同社にとって大きなリスクは「気が散ってしまうこと」と述べた。

「会社を成長させるために仕事をするべきだ。そうではなく、多くのケースでは、バランスシートを成長に必要なもの以上に大きくしてしまっている」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:サム・バンクマン-フリード氏(CoinDesk TV)
|原文:FTX Looks to Expand Globally Through Local Partners, Bankman-Fried Says