ステーブルコイン規制は急務、普及を促進:米バンカメレポート

米財務省のレポート「Report on Stablecoin(RoS)」が今月初めに発表されたことは、ステーブルコインが現実的な決済手段になる可能性があることを考慮すると、規制が「急務であることを示している」と、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は23日発表したレポートで述べた。

機関投資家は暗号資産への投資を積極化する前に、規制が明確になることを求めている。そして「規制フレームワークは、決済会社がブロックチェーン技術とステーブルコインを自社プラットフォームに統合する動機となる」とレポートは記している。

同行によると、マスターカード(Mastercard)、ビザ(Visa)、ウエスタンユニオン(Western Union)、シグネチャー銀行(Signature)は、ステーブルコイン規制によって市場価値が高まる可能性がある。バンカメはこれらの企業の株式を「買い評価」としている。

システミック・リスク

ステーブルコインは2021年には発行総額が約1410億ドル(約16兆円)、四半期ごとの取引高は1兆ドル(約110兆円)を超える「システム的に重要な資産」となっており、規制・監督が不可欠となっている。

だが市場の規模と成長にもかかわらず、ステーブルコイン発行者は、包括的な枠組みのもとで規制されておらず、「ステーブルコインを裏付ける準備金の構成についての透明性のレベルは必ずしも十分ではない」とバンカメは述べている。

財務省のレポートは「暗号資産と伝統的金融市場は、多くの人が認識している以上につながっている」ため「ステーブルコインの急速な成長の可能性はシステミック・リスク(金融システム全体に及ぶリスク)を生み出す」と指摘。米議会がステーブルコインを銀行システムに統合し、連邦政府の規制・監督を可能にする法案を迅速に可決することを求めている。

またレポートは、ステーブルコインの規制が進めば、銀行が独自にステーブルコインを発行する可能性もあると付け加えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Bank of America Sees Stablecoin Regulation as Catalyst to Mass Adoption