エヌビディアのマイニング制限機能を回避──ハッカーがソフトウェアを販売か

大手半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)をハッキングし、1テラバイトの内部情報を入手したとするハッカー集団のLAPSUS$が、エヌビディアが同社製GPUカードでのマイニングを制限するために導入したEthereum Lite Hash Rate(LHR)リミッターを回避できるソフトウェアの販売を開始したと発表した。

「我々は、マイニングとゲームのコミュニティを支援する。我々はエヌビディアがファームウェアを更新し、LHRリミッターを削除することを希望する」と述べ、リミッターを回避できるファームウェアを持っていると指摘した。

一方、エヌビディアは、2月23日にセキュリティ侵害を認識したと述べている。同社はセキュリティを強化するとともに、専門家に調査と対応を依頼し、法執行機関に通知した。

「我々は、攻撃者が我々のシステムから従業員の認証情報と、複数の社内情報を取得し、オンライン上に流し始めたことを認識している」と同社担当者は述べた。

エヌビディアは流出した情報の分析に取り組んでおり、事業に支障が出ることはないと考えているという。

エヌビディアは2021年、主力製品のGeForce GPUに「ハッシュレートリミッター」を導入、暗号資産マイニングへの使用を制限することで、コアゲーマー向けにより多くの製品を提供できるようにした。また米投資銀行Needhamが開催したカンファレンスで、最新アーキテクチャー「Ampere」を搭載したほぼすべての製品にマイニング制限機能を組み込むと述べている。

さらに製品ラインを明確にするために同社は2021年、暗号資産マイニング専用チップ「Cryptocurrency Mining Processors(CMP)」も発表している。SECへの提出書類によると、CMP関連の売上高は1月30日に終了した第4四半期に2400万ドルとなり、前四半期の1億500万ドルから77%減少した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Nvidia Hackers Are Selling Software to Bypass Ethereum Hashrate Limiter