ステーブルコインUST、一時的にドル連動から逸脱──何が起きたのか?

ステーブルコインUST、一時的にドル連動から逸脱──何が起きたのか?

話題のステーブルコイン「TerraUSD(UST)」は7日、一時的にドルペッグ(ドルとの連動)を失い、0.987ドルまで下落。その後、8日には回復した。

アルゴリズム型ステーブルコインとして最大規模を誇るUSTは、議論はあるものの、暗号資産エコノミーの主要なバックボーンとなってきている。

週末のデペッグ(ドル連動からの逸脱)は初めてではない(最大でもない)が、USTがビットコイン(BTC)とアバランチ(AVAX)を購入し、準備金の強化に着手して以来、初めてのことだ。だが今回、デペッグ解消のために準備金のビットコインが売却されることはなかった。7日に数億ドルの資本が投入され、USTは1ドル程度まで回復した。

何が起きたのか?

デペッグは、USTを預け入れたユーザーに高い利回りを提供するレンディング(融資)マーケット「Anchor Protocol」からの多額の資金引き出しがきっかけとなったようだ。週末、AnchorでのUSTの預け入れ金額は140億ドルから112億ドルに減少した(USTの総流通量は180億ドル)。

また、DeFi(分散型金融)プロジェクト「Curve」の流動性プールからも1億5000万ドル(約200億円)のUSTが引き出された。引き出しは、テラ(Terra)ブロックチェーンを運営し、USTを発行する「Terraform Labs(TFL)」が行った。TFLは8日、USTの下落に気づき、1億ドルを再度、預け入れた。

さらに、あるウォレットがイーサリアムブロックチェーンで8400万ドル相当、バイナンスで1億800万ドル相当のUSTを売却したことにも疑惑の目が向けられている。テラのコミュニティ内からは、デペッグは「組織的な攻撃」だとの声が上がっている。

USTの仕組み

USTは、1ドルを維持するために、暗号資産テラ(LUNA)に依存している。

最近、テラブロックチェーンの創設者Do Kwon氏は、USTの準備金とするために、ビットコイン(と他の暗号資産)を大量に購入して話題を集めている。USTのドルペッグを確実にするための一つの方法ではあるが、Do Kwon氏とTFLが中心となってビットコインを大量に購入したことには、中央集権的との批判もある。

現状、USTとビットコインおよびアバランチによる準備金の間に具体的な関連性はなく、7日、USTのドルペッグを回復するために、これらの暗号通貨が投入されるのか(どのように実施されるのか)について疑問も浮上した。

CoinMarketCapによると、USTとテラ(LUNA)は現在、時価総額で9位と10位を締めている。テラ(LUNA)は当記事執筆時点、24時間で10%下落し、CoinGeckoによると66ドル付近。USTはほぼドルペッグを回復し、0.998ドルで取引された。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:UST Stablecoin Briefly Loses Peg, Luna Drops 10%

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