【US市場】ビットコイン、2万9000ドル割れ──トレーダーは下落継続のリスクをヘッジ

ビットコイン(BTC)は18日、3万654ドルの高値から3%近く下落し、ダウ平均株価の1200ドル以上の下落、ナスダックとS&P500の4%以上の下落といった株式市場の下落に追随した。日本時間19日9時40分時点、2万9000ドルを割っている。

暗号資産(仮想通貨)は、ボラティリティが上昇しているものの、過去数日間、狭いレンジに留まっている。今後、価格変動が大きくなるリスクがある。

アルトコインはビットコインをアンダーパフォームし続けている。イーサリアム(ETH)は24時間で4%下落、ビットコインは3%だった。ソラナ(SOL)は7%下落、ディセントラランド(MANA)は10%下落した。

最新価格

●ビットコイン:29,225ドル、-2.67%
●イーサリアム:1,975ドル、-3.28%

●S&P500:3,924、-4.03%
●ゴールド:1,814ドル、-0.21%
●米国10年債利回:2.89%

ボラティリティ上昇

ビットコインの短期的なリアライズド・ボラティリティは、ビットコインが3万ドル水準の維持に苦戦しているため、高止まりしている。インプライド・ボラティリティも上昇。つまり、トレーダーがマクロ経済リスクとステーブルコイン市場の混乱に反応し、値動きが不安定な状態が続く可能性を示している。

オプション市場では、依然としてコールに対してプットの需要が高まっており、トレーダーは価格下落が続くリスクを積極的にヘッジしているようだ。

現在、スキュー(Skew)のデータによると、オプション市場ではビットコインが6月に2万5000ドル以上で取引される確率が66%となっている。

ビットコインの実現ボラティリティ(出典:Skew)
ビットコインのインプライド・ボラティリティ(出典:Skew)

売り手優勢

下図は、ビットコインの永久スワップ市場における買い数量を売り数量で割った比率を示したもの。「1より大きい値」は強気センチメントを、「1より小さい値」は弱気センチメントを表す。比率の50日移動平均は過去2カ月、低下しており、売り圧力が持続していることを示している。

比率はまだ過去の低水準を上回っており、買い手が自信を取り戻すまで、ビットコインは下落トレンドが続く可能性を示している。

ビットコインの買い/売り比率(出典:CryptoQuant)

アルトコイン

テラ(Terra)のリバイバルプラン:Terraform Labsの創設者、ドー・クォン(Do Kwon)氏は、ハードフォーク計画についての予備的なオンライン投票が、コミュニティから支持を得られなかったにもかかわらず、18日朝、ガバナンスについての提案を発表した。新しいチェーンは、崩壊したステーブルコインTerraUSD(UST)を完全に排除し、テラブロックチェーン上に構築された分散型金融(DeFi)アプリケーションに焦点を当てるという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CryptoQuant
|原文:Market Wrap: Bitcoin Dips, Stocks Plummet as Volatility Spikes