まず暗号資産に集中、DeFiやNFTは次のフェーズ──野村の海外子会社、新CEOインタビュー

野村ホールディングス(HD)は5月17日、暗号資産(仮想通貨)トレーディングとNFT、DeFi(分散型金融)事業を手がける子会社を海外に設立すると発表。新子会社のCEO、ジェズ・モヒディン(Jez Mohideen)氏は、まず暗号資産に集中すると述べた。

関連記事:野村がDeFi・NFT・暗号資産トレード事業──海外で子会社設立へ

子会社はヨーロッパに拠点を置き、名称は数カ月以内に決まるが、NFTやDeFiなどに注力するのは、しばらくあとになるという。

「まずは当面、マーケットメーキングやクライアントサービスの対象として、時価総額トップ10の暗号資産を検討する。その後、基本的に機関投資家の需要に基づくチャンスを見極めるために、時価総額の小さなチェーンを見ていく。つまり、DeFiプロトコルもチェックして、それらを我々のサービスで扱うことになれば、そこでもマーケットを作っていく」とモヒディン氏は語った。

さまざまな金融機関がこの間、暗号資産に試験的に取り組んでいるが、多くはデリバティブやETP(上場取引型金融商品)などのトレーディング、あるいはさまざまな種類の暗号資産のリサーチに限られていた。野村HDはすでに、暗号資産投資会社のコインシェアーズ(CoinShares)や暗号資産管理会社のLedgerとともに機関投資家向け暗号資産カストディサービス「Komainu」に取り組んでいる。

関連記事:野村とLedger、デジタル資産のカストディ「Komainu」をスタート──機関投資家を捉える

「Komainuは当社の最初のプロジェクトの1つで、この業界の問題点について多くのを学んだ。Komainuは当社のポートフォリオ企業の1つで、必要に応じて、当然、そのソリューションを活用していく」(モヒディン氏)

DeFiとNFTへの取り組み

野村のDeFiへの取り組みは、同様に機関投資家に焦点をあてていく。機関投資家はマネーロンダリング防止(AML)規制を遵守するために、取引相手を特定できるようにする必要がある。そのため、例えば「Aave Arc」など、KYC(顧客確認)や優良顧客リストを提供するDeFiサービスを選ぶ傾向がある。

「我々は、このエコシステムに信頼をもたらすことを目指している」とモヒディン氏は述べた。

NFTはよりあとのフェーズとなり、ビジネスチャンスとしては慎重に検討するという。またいわゆる「Web3」と伝統的な金融がオーバーラップする部分に焦点をあてる。

「NFTはまだ初期段階だが、我々はインフラサイドでの担保融資などの機会を模索したいと考えている」

ステーブルコインの問題

モヒディン氏は、どのステーブルコインが野村の暗号資産ビジネスに組み込まれる可能性があるかについては言及を避けた。暗号資産業界は先週、TerraUSD(UST)の崩壊によって揺れ動いた。

「真のステーブルコインは、法定通貨と担保によって完全に裏付けられる必要があると考えている。正しく監査される必要があり、それがリスク評価となる。監査やリスク評価に基づいて、我々は選択することになる」

暗号資産市場全体への影響として、モヒディン氏は、多くの人が「今は暗号資産に参入することに適した時期か?」と考えているかもしれないと述べた。

「これは地殻変動だ。時間がかかり、先週のような出来事で成熟していく。システムの弱点が修正され、場合によってはさらに厳しい規制が必要になる。多くの人がお金を失うことは決して良いことではないが、これで暗号資産の機関化が加速するはずだ」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Nomura’s Digital Division to Focus on Cryptocurrencies First, DeFi Later