テラ崩壊の波紋と今後の困難な道

テラ崩壊の波紋と今後の困難な道

暗号資産テラ(LUNA)とステーブルコインTerraUSD(UST)が崩壊し、瓦礫が片付けられているなか、一部の投資家は再建のために破片を選別したり、別の投資家は懺悔を投稿したり、プロジェクトから完全に手を引こうとしている。同時に専門家は、規制当局がこの機を捉えてステーブルコインの包括的な規制を求めてくると警告している。

一方、テラ(Terra)ブロックチェーンのガバナンス提案ポータルでは、投票に参加した適格トークン保有者の80%が、アルゴリズム型ステーブルコインを排除した再構築を指示している。

天文学的な損失

十数名の投資家には、提案を支持する十分な動機がある。テラの成功に賭けた投資家の損失は、天文学的な数字になっているからだ。

例えば、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)のマイク・ノボグラッツ(Mike Novogratz)氏は、しばらく沈黙を保っていたが、回復には時間がかかるだろうと述べている。デルファイ・デジタル(Delphi Digital)は「こうした事態が起こり得ることは十分理解していたが(中略)、『デス・スパイラル』のリスクを読み間違えた」と述べた。

だがハッシュド(Hashed)は、その巨額の損失についてまだ沈黙を守っている。

また、DeFiance Capitalは、自社ウェブサイトからLUNAのロゴを一時的に削除したが、創業パートナーのアーサー・チョン(Arthur Cheong)氏は「デザイン変更の際にたまたま削除したもので、また追加する」と述べている。スリー・アロー・キャピタル(Three Arrow Capital)のスー・ズー(Su Zhu)氏が、誤ってテラ・エコシステムを後押しするようなツイートを削除したことと同様に、実に都合のいいタイミングだ。

規制当局はどう動く?

瓦礫が片付けられた時に、何が起こるだろうか?

「規制」とスイスのデジタル資産銀行SEBAのリサーチ責任者イヴ・ロンシャン(Yves Longchamp)氏はコメントした。

「アルゴリズム型ステーブルコインにはずっと疑問を持っていた。SEBAはアルゴリズム型ステーブルコインを提供していない。安定性を唐突に生み出すことはできないと考えている。裏付け資産が必要だ」

ロンシャン氏は、ステーブルコインには規制が欠かせないと考えている。UST保有者の中にはプロジェクトを信じ、根本的なリスクを認識していなかった人がいたためだ。

規制当局はアルゴリズム型ステーブルコインの利用を阻止し、規制の枠組みを通じて健全な裏付け資産を持つステーブルコインを認めるべきだという。

結局のところ、USDコイン(USDC)は、裏付け資産がなにかはよく理解されているが、テザー(USDT)は、これまでうまく行っているものの、裏付け資産の詳細には不明点もある。

19世紀の銀行システムが学んだこと

USTのようなアルゴリズム型ステーブルコインの問題は、コストをかけずにお金を生み出すことだとロンシャン氏は述べた。USDCのように、ステーブルコインを発行するためにドルを裏付け資産として保有するわけではない。

分散型金融(DeFi)と「ステーブルコインはまさに今、19世紀の銀行システムが経験したことを学んでいる。19世紀の銀行システムは、最終的には中央銀行の台頭を招いた」と同氏は述べた。

SEBAのような銀行は規制を歓迎している。確かに、規制はテラがマーケットを崩壊させることを防いだかもしれない。だがしかし、これは業界が望んでいることだろうか? ベンチャーキャピタルは損失を出した時に、規制のせいにするだろうか?

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:First Mover Asia: Terra’s Difficult Post-Collapse Path: VCs Backing Away, Regulators Jumping on Stablecoins

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