【US市場】ビットコインのドミナンス、上昇──イーサリアムは低迷

暗号資産(仮想通貨)市場は26日、概ね下落。株式の上昇からは一時的に切り離された。

ビットコイン(BTC)は3万ドル割れで推移し、1週間で2%下落している。この2週間、不安定な取引レンジとなっており、今月上旬の急激な下落を経て、わずかだが安定したことを示している。

一方、S&P500は売られすぎの水準から上昇し、これまでの下落幅を縮小した。短期的な変動にもかかわらず、ビットコインと株式の90日相関関係は史上最高水準を維持している。

アルトコインはビットコインを下回った。例えば、イーサリアム(ETH)は、24時間で6%下落。アバランチ(AVAX)とコスモス(ATOM)は10%下落した。通常、下げ相場ではアルトコインはビットコインよりも下落幅が大きくなる。

最新価格

●ビットコイン:29,363ドル、-0.91%
●イーサリアム:1,826ドル、-6.48%

●S&P500:4,058、+1.99%
●ゴールド:1,851ドル、+0.25%
●米国10年債利回り:2.76%

ロング・リクイデーション増加

ビットコインが26日午前中に2万8000ドルに向けて下落した後、過去24時間にビットコインのロング・リクイデーションがわずかに増加した。

とはいえ26日の増加は、今月初めの高水準と比べるとそれほどでもない。リクイデーションはボラティリティが高いときに見られ、現物(スポット)価格の動きを加速させることがある。

出典:CoinDesk, Coinglass

イーサリアム、低迷

イーサリアムは、ビットコインに対する相対的な下落幅を拡大させた。

イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)価格レシオは、40週移動平均を下回った。2018年の弱気相場と同様に、さらなる下落に直面する可能性がある。次のサポートレベルは0.043。

出典:CoinDesk, TradingView

一方、ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額)は上昇している。今月初めにこの1年の下落トレンドを上抜けし、暗号資産市場にリスクオフの動きが広がっていることを示した。

出典:CoinDesk, TradingView

アルトコイン

●ソラナとドージコイン、下落:ソラナ(SOL)とドージコイン(DOGE)は、主要暗号資産の中で最も下落した。ソラナは「リスクオフ」センチメントが続くなか、24時間で8%下落。ドージコインも5%下落した。

●テザー、ラテンアメリカ進出:テザー社(Tether)は、メキシコペソに連動したステーブルコイン「MXNT」を発行する。MXNTはテザー社がラテンアメリカに進出するのは初めて、同社は米ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)、ユーロ連動型のユーロテザー(EURT)、中国人民元連動型のCNHTを発行している。メキシコは「ラテンアメリカの次の暗号資産ハブにふさわしい場所」とテザー社は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:
|原文:Market Wrap: Cryptos Down, Stocks Up; Altcoins Underperform