Web3にもオフライン交流が必要な理由【オピニオン】

Web3にもオフライン交流が必要な理由【オピニオン】

分散型金融(DeFi)の話題はもう十分。私たちが体験している分散化とは、仕事の質の変化なのだ。

デスクに座って、同僚に囲まれて働くために、信じられないほど早くに起きて、シャワーを浴び、着替えて、2時間かけて渋滞の中運転していた頃のことを覚えているだろうか?

新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちがすでに向かっていたトレンドを加速した。労働が分散化され、都市における混雑は緩和、人々は家賃のより安いところに暮らし、真の柔軟性を手に入れる未来へ向かうトレンドだ。

オフィス業務が再開され、ワクチン接種も進んだ現在も、労働者の61%は、在宅勤務を選んでいる。しかし、仕事の未来は、家だけにあるのではない。分散型組織が、世界中のAirbnbやブティックホテルで短期間集まり、クリエイティブな共同作業をしたり、目標を設定したり、チームを構築するハイブリッド型モデルこそが、未来だ。

インターネットが、物理的な境界を越えることを可能にし、ブロックチェーンテクノロジーが、コミュニティ構築とアカウンタビリティの手段を提供するが、行き過ぎには注意しなければならない。

実世界での体験は、ウェブ3においてさえも、段階的に廃止するべきではないのだ。

リアルなもの

このような期待できる新しい労働モデルを私が初めて経験したのは、ウィンドランガー・ラボ(Windranger Labs)に3月に加わり、BitDAOのコミュニティコントリビューターとして働き始めた時だ。ウィンドランガー・ラボはBitDAOエコシステムに貢献する中核的な存在であり、自律型組織インフラの構築に向けた開発に取り組んでいる。

他の自律分散型組織(DAO)同様、私たちもモチベーションの高い世界中のコントリビューターたちから大いに恩恵を受けている。例えば私は、快適な自宅から就職したし、25カ国に散らばる私の同僚の多くもそうだ。

私たちは先月、サンフランシスコで初めて実際に顔を合わせた。それまでは、私にとって同僚はオンラインで聴こえる声とアバターでしかなかった。同僚の一部は、私とは正反対のタイムゾーンに暮らしている。彼らを突き動かすもの、モチベーション、文化を理解するのは困難だった。

「世界のあちこちでリモートワークをしているため、複数のタイムゾーンにまたがるチームメイトにとって理想的な時間を見つけるのは、本当に難しい」と、ソーシャルメディア責任者のカリ・ヨン(Kalli Yong)氏は話す。

「分散型労働」には、たくさんのメリットがあるが、「(実世界での)共同作業と比べて同じくらい効率的」とは限らないと指摘した。

サンフランシスコで開かれた対面ミーティングの目的は、会社のビジョンについて足並みを揃えてチームをひとまとめにして、個々人の間の理解を深めることだった。ホワイトボードに多機能電子ボード、ソファにたっぷりのお菓子など、一般的なオフィスに必要な備品はすべて揃っていた。

驚くべきことに、チームは実世界で一緒に仕事をしていなければ数週間かかっていただろう仕事を、8日間でこなすことができた。さらに、対面でしか可能にならない、絆が形成されたことは言うまでもない。

サンフランシスコからニューヨークへ

ウィンドランガーのチームは先月、世界最大規模のNFTイベント「NFT.NYC 2022」のために、ニューヨークで再び顔を合わせた。BitDAOがスポンサーとなっていたため、ほぼ全員のスタッフが参加したのだ。

本拠地を持たない分散型組織としては、タイムズスクエアのビルボードにBitDAOのロゴが表示され、イベント会場の至る所にもロゴが貼られているのを見るのは、夢のようだった。

ついに同じタイムゾーンにおいて、ディナーやブランチ、短いミーティングなどで実際に顔を合わせられることの素晴らしさを、私たちは噛み締めていた。パーティーすらも楽しんだ。

対面でのやり取りは生産性が高く、職場の文化を確立する役には立ったが、毎日オフィスに出勤していたら、正反対の影響が出ていたかもしれない。会社の対面ミーティングを、お祭りのように歓迎するのではなく、無理強いされた奇妙なもののように感じる人もいるのだろうか?

「やっと顔と名前を一致させることができて、本当によかった。実際に顔を合わせることで、その人の仕事の仕方をより明確に理解できたし、それはまたリモートで仕事をするようになっても、間違いなく助けになってくれる」と、ヨン氏。「時折対面ミーティングを開催することは、生産的であることが証明された。単にスクリーンに向かって話すよりも、強い絆を作れるから」と語った。

仕事の未来は、完全に分散化したものにはならず、真の関わりは、実世界のコミュニティモデルに根差している。人類は何千年にもわたって、まとまって行動してきたのだから、その間に培ってきたスキルを捨ててしまうのではなく、集中的に活用する必要がある。

ジェニファー・サナジー(Jennifer Sanasie)氏は、ブロックチェーンエコノミーの加速を目指した研究開発を手がけるウィンドランガー・ラボ(Windranger Labs)のコンテンツディレクターである。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Web3 Needs In-Person Gatherings

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