暗号資産の冬を生き延びるコツ【オピニオン】

暗号資産の冬を生き延びるコツ【オピニオン】

ニューヨーク州ノース・カントリーの冬は寒い。弱々しい1月の太陽と川沿いを吹き荒ぶ風によって、気候変動の時代にあっても、ひと月以上も氷点下の寒さが続くのだ。

そのような状況においては、アメリカの多くの場所とは違って、冬向けの装備が必須だ。子供たちは帽子や手袋を忘れないし、霜焼けで手足を失わないようにするには、防水ブーツとウールの靴下が欠かせないのだ。

このことは、「暗号資産の冬」が到来している私たちにも、教訓となってくれるだろう。暗号資産(仮想通貨)エコシステムほぼ全体で、資産価格が一時の高水準をはるかに下回っているだけではなく、プロジェクトがドミノ倒しのように次々と崩壊し、企業が破綻し始めている。

シンガポールを拠点とした暗号資産に特化したヘッジファンド、スリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital、略称:3AC)は、数週間危機的状況に苦しんだ後、清算を命じられた。

清算を前に、3ACに融資を行なっていた暗号資産レンディングを手がけるブロックファイ(BlockFi)とボイジャー・デジタル(Voyager Digital)は、その危機を生き残ろうと、巨額の信用供与を受けた。これら企業の救済に走った暗号資産取引所FTXの創業者サム・バンクマン-フリード氏は、多くの暗号資産取引所や企業はすでに「秘密裏に破綻」していると思うと語った。

最終的にボイジャーは、デジタル資産分野における冷え込みの中、引き出しなどのサービスを一時停止し、その後に破産保護申請を行った一連の暗号資産企業に名を連ねることになった。

関連記事:「ボイジャー・デジタル、破産申請──チャプター11(米破産法11条)を申請」

一方、暗号資産取引所コインベースは、暗号資産ブローカレッジの投資家は、伝統的ブローカレッジや銀行で受けられるような保護や保証は必ずしも受けられないかもしれない、と発表した。

冬を耐え忍ぶヒント

これまで、ますます多くの投資家が暗号資産への投資に興味を示し、投資顧問会社も、デジタル資産投資や運用を徐々にサービスに取り入れてきていた。このようなトレンドは、資産価格がどれほど下がったとしても、簡単に逆転するものではない。

金融サービス業界の専門家へのコンサルサービスを提供する「Digital Assets Council of Financial Professionals」の創業者リック・エデルマン(Ric Edelman)氏は先日、金融アドバイザー向けのイベントで、信念を持ち続けるよう呼びかけた。

暗号資産の成長から恩恵を受けようとする投資家たちは、変動の中でも暗号資産を保有し続ける必要がある、とエデルマン氏。暗号資産が「安全な」投資になるまで待っていては、成長を逃すことになってしまうのだ。

暗号資産の冬で霜焼けに苦しまないように、暗号資産にすでに投資している人、興味のある人に、いくつかアドバイスをしよう。

1. パニックにならない

デジタル資産は今のところ、他の金融資産よりも大きなボラティリティを持つ、高リスク資産だ。10年も景気後退が発生しないということは滅多にないのだから、「暗号資産の冬」は想定内だったのだ。

投資家はしっかりと分散投資をし、慎重な投資を行っている限り、暗号資産価格の低迷をしのぐことができるはずだ。余分な資金と、健全なリスク選好度をもつ人なら、安値の間にさらに買うことを検討しても良いかもしれない。

2. リスクを知る

証券や不動産など、他の資産では当然のようにリスクが議論されるのだから、暗号資産も同じように扱うべきだ。一般的な戦略は、市場のボラティリティに備えること。保有する暗号資産のボラリティリティに備えて、余分な現金資産を用意しておくのだ。

さらに、暗号資産カストディの分野で現在解決が進んでいる問題についても、リサーチをしておこう。

3. リスク許容度を把握する

人によって、リスクの許容度は異なる。さらに熱心に暗号資産に投資したがる人もいれば、現在のボラテリティティへの反応として、暗号資産への資産分配を減らしたり、売却したいと感じる人もいるだろう。この暗号資産の冬から、リスクについての教訓をしっかり学ぶことが大切だ。

4. 事態の沈静化を待つ、あるいは待たない

リスク許容度が高い人は、「街が血に染まっている時が、買い時だ」というウォーレン・バフェット氏のアドバイスに従いたいと感じるかもしれない。その場合、適切な資産分配が肝要である。

春はやって来るのか?

私はライターであり、予言者ではない。この冬がどれくらい続くのか、回復できるのかすらわからない。暗号資産テクノロジーやインフラへの資本の投資は続き、革新的な新しいプロジェクトがローンチされ続けられるだろう、とは言える。メタバースは構築中であり、市場の低迷に関わらず、機関投資家が暗号資産に関わるための道は、築かれ続けている。

スマートなマネーは「暗号資産の春」の到来を予期しているようだ。忍耐強く、冷静さを保つことのできた投資家は、デジタル資産分野回復の恩恵を受けることができるだろう。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Winter Has Arrived. Here’s How Advisors Can Help

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