ビットフューリー、データマイニングに向けてAI部門を設立

ブロックチェーン技術開発大手のビットフューリー・グループ(Bitfury Group)は間もなく、仮想通貨マイニング企業としてだけではなく、データマイナーとしても知られるようになるかもしれない。

2019年8月13日(現地時間)、ロイターとのインタビューの中で、ビットフューリーの共同創業者兼CEOのヴァレリー・ヴァヴィロフ(Valery Vavilov)氏は、世界中の膨大なデータを分析し、そこから価値を引き出すために、同社は人工知能(AI)部門を設立した、と語った。

データを「次なる石油」と呼ぶヴァヴィロフ氏は、全てのデータのうち98%は分析されるのを待ち、ただ眠っているだけだ、と語った。

ヴァヴィロフ氏は詳細をほとんど明らかにしなかったが、データ分析にブロックチェーンを活用するとして、次のように語った。「データを信頼する必要もありますから、そこでブロックチェーンが力を発揮します」

ビットフューリーは、数々のブロックチェーンサービスを提供するだけでなく、コンピューターや仮想通貨マイニングハードウェアの製造、仮想通貨マイニングデータセンターの運営も行っている。

ビットフューリーは2018年11月、ベンチャーキャピタル企業のコレリア・キャピタル(Korelya Capital)が主導した資金調達ラウンドで8000万ドル(約84億2600万円)を調達した。マイケル・ノヴォグラッツ(Michael Novogratz)氏率いる仮想通貨投資企業ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、アジアの投資企業マッコリー・キャピタル(Macquarie Capital)、日本の広告代理店、電通、欧州の投資企業アーマット・グループ(Armat Group)などもこの資金調達ラウンドに参加した。

その1カ月前、ビットフューリーはアムステルダム、ロンドン、または香港の証券取引所上場による、新規株式公開(IPO)の実施を検討している、とブルームバーグが情報筋の話として報じた。その情報筋は、ビットフューリーが2年以内に上場すれば、同社の評価額は30億〜50億ドルとなる可能性がある、と述べていた。

ヴァヴィロフ氏によれば、ビットフューリーのAI部門は現在「研究モード」にあり、今後の用途や商品に関する、より明確なビジョンは2019年末か2020年初旬に決定する予定である。

ビットフューリーは、この新しいAI部門のトップに、ファブリツィオ・デル・マフェオ(Fabrizio Del Maffeo)氏を任命した。マフェオ氏は、ASUSグループ(ASUS Group)の一員として、AIとIoTに重点を置く企業、AAEONテクノロジー・ヨーロッパ(AAEON Technology Europe)でバイスプレジデントとマネージングディレクターを務めた経歴を持つ。

ビジネス向け交流サイト、リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールによると、デル・マフェオ氏は、AAEONの前に、産業用コンピュータメーカーのアドバンテック(Advantech)、IT製品の卸売会社エスプリネット(Esprinet)、米コンサルティング大手アクセンチュア(Accenure)で働いた経験を持つ。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太 
写真:Data image via Shutterstock
原文:Blockchain Firm Bitfury Turns to AI for Big Data Mining