欧州議会、暗号資産取引やマイニングなどへの課税を検討へ

欧州議会の議員は、欧州圏の年間予算約1700億ユーロ(約24兆520億円)を賄うため、暗号資産(仮想通貨)への課税を提案した。

1月16日に公開された欧州議会予算委員会の報告書案には、暗号資産投資家のキャピタルゲイン、取引、マイニングに対する課税が含まれている。

フランスのバレリー・エイエ(Valérie Hayer)議員とポルトガル社会民主党のホセ・マヌエル・フェルナンデス(José Manuel Fernandes)氏による報告書案は「暗号資産に対する欧州税の導入を提案する。その収益は欧州連合(EU)の予算に組み込まれる」と述べている。また、「暗号資産の高い移動性と国境を越えた次元を考えると、EUレベルでの規制と課税は、国家レベルよりも効率的である」とも述べている。

2022年12月に欧州委員会は、暗号資産投資家の保有資産の詳細を税務当局間で共有する新しいルールを提案したが、何にどれだけ課税するかという決定は、依然として各国政府の問題だ。

予算委員会の他の議員たちは、意見がある場合には2月2日までに報告書の変更を提案しなければならない。ただし現実的には、税法に関しては705人の欧州議会議員の関与は限定的で、通常は欧州連合の加盟27カ国の財務大臣が全会一致で合意することになっている。

欧州中央銀行(ECB)のファビオ・パネッタ(Fabio Panetta)専務理事は以前、暗号資産の環境コスト、特にビットコイン(BTC)のマイニングに使われるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)から生じるコストに対処するために課税を利用することが考えられると述べていた。

現在、欧州連合の予算は主に各国の拠出金で賄われており、農業補助金や地域投資に費やされている。議員たちは予算を補うために企業の利益、炭素集約型の輸入品、金融取引への課税にも目を向けている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:欧州連合の旗のイメージ(Shutterstock)
|原文:Crypto Tax Proposed by Lawmakers to Fund EU Budget