ビットコインのドミナンス、9カ月ぶりの高水準

ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割当)は、TradingViewのデータによると9カ月ぶりの高水準となる45.5%に達した。45%を超えたのは、2022年6月25日に以来。

暗号資産に注力したシルバーゲート銀行とシグニチャー銀行が破綻し、より広範な銀行セクターにパニックに近い影響が広がって、この2週間、暗号資産市場は激動した。ビットコインは他のほとんどの暗号資産に比べて変動の少ない資産と見なされており、ビットコインのドミナンスはこれまで、ストレスが高まった期間に上昇している。

暗号資産市場にとって健全

ドミナンスの上昇は、ビットコイン価格がほぼ3日間上昇したこととも一致している。ビットコインは14日発表された2月の米消費者物価指数(CPI)がインフレの緩やかな減速を示したことで、昨年夏以来となる2万6000ドル超となった。

ビットコインは当記事執筆時点、2万4700ドル付近。24時間で4%下落しているが、週末からは10%以上上昇している。

「ビットコインのドミナンスランは、市場にバブル的な動きが比較的少ないことを示しているなか(トレーダーは投機的なアルトコインではなく、ビットコインを購入している)、一般的に暗号資産市場にとって健全と見なされている」とファンドストラット・リサーチ(FundStrat Research)は14日にツイート。

さらにドミナンスの上昇はビットコインに対する投資家の関心が「シリコンバレー銀行のような伝統的な銀行が崩壊したときに再燃する」ことを反映しているようだとファンドストラットは述べた。

ステーブルコインをめぐる不安

この数週間、ステーブルコインをめぐる不安が表面化していることもビットコインのドミナンス上昇の要因となった。シリコンバレー銀行の崩壊を受けて、時価総額No.2のステーブルコインであるUSDコイン(USDC)は一時ドルペッグから逸脱した。

現在、USDCはドルペッグを回復しているが、規制当局がステーブルコインに監視の目を向けているため、今後の行方については不確実性が残っている。

CryptoQuantのデータを見るとこの1年、ステーブルコインの供給量は減少を続けている。

CryptoQuant

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Bitcoin Dominance Reaches 9-Month High