XRPが10カ月ぶりの高値、建玉は2021年12月以来の8億ドル超え──アルトシーズンへの期待高まる

暗号資産(仮想通貨)エックス・アール・ピー(XRP)が上昇している。発行元であるリップルラボが米証券取引委員会(SEC)との裁判に勝利し、より広い市場でのリスクテイクが進むとの期待が広まっているためだ。

CoinDeskのデータによると、XRPは当記事執筆時点で3月22日以降、57%上昇し、10カ月ぶりの高値0.58ドル付近に達した(日本時間30日10時30分頃には0.53ドル付近)。

またCoinglassのデータを見ると、上昇が始まって以来、先物市場での建玉は約90%増加し、2021年12月以来の高水準8億4300万ドル(約1100億円、1ドル130円換算)に達している。

価格上昇と同タイミングの建玉の増加は通常、強気サイドの資金流入を示し、上昇トレンドを確認するものと言われている。当記事執筆時点、資金調達率もほとんどの取引所でプラスとなっており、強気トレーダーが優勢なことを示している。

Coinglass

市場全体も上昇し、ビットコイン(BTC)は2万8000ドルを回復、米商品先物取引委員会(CFTC)がバイナンスを提訴したことを受けた下落を取り戻す動きとなった。

アルトシーズンへの期待

「強気の動きは、リップル社対SECの訴訟にまつわるもので、リップル社が勝利するとの楽観論が支配的になっている」とDecentral Park Capitalのポートフォリオマネージャー、ルイス・ハートランド(Lewis Harland)氏は述べた。同氏はリップル社が勝利すれば、広くアルトコインへの関心が強まると見ている。

2020年、SECはリップル・ネットワーク(Ripple Metwork)の13億ドル相当のXRP販売を、未登録の証券の販売にあたるとして提訴した。リップル社は、XRPは証券ではなくコモディティであると主張している。

証券はコモディティよりも規制が厳しく、より高い透明性と報告義務が要求される。つまり、リップル社の勝利は暗号資産市場にプラスの影響をもたらす可能性が高いが、敗北はリスク回避を再燃させる可能性がある。

「SECの勝利は、より厳しい規制を受ける可能性がある他のアルトコインにも影響を与える可能性がある」「もしリップル社が裁判で勝利を収めれば、アメリカ市場におけるXRPの合法性は確固たるものとなり、価格上昇の原動力となるだろう」と暗号資産サービスプロバイダー、Matrixportのリサーチ&戦略責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は27日、顧客向けメモに記している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Coinglass
|原文:Open Interest in XRP Surges to $800M as Crypto Traders Hope Ripple-SEC Verdict Will Bring ‘Alt Season’