レイヤー2ソリューションのzkSync Era、ロックされたバリューが1億ドル突破

新しく立ち上げられたEVM互換のレイヤー2ソリューションである「zkSync Era」ブロックチェーンは、新しいトークンの発行が相次ぐ中、この週末にネットワークにロックされた総額が1億ドル(約133億円)を超え、活発な活動を見せている。

L2Beatのデータによると、6900万ドル(約92億円)相当のイーサリアム(ETH)と3000万ドル(約40億円)近くのUSDコイン(USDC)がネットワークにロックされた。これらはエコシステム・トークンの購入やネットワーク上の取引所への流動性提供のために、いくつかのzkSyncベースのプロジェクトに分配されると見られている。

zkSyncにロックされたバリューは1億ドルに達した。(L2Beat)

3月24日のリリース以来、ネットワーク上では330万件以上の取引が行われた。同ネットワークの取引速度は1秒間に4.4件だ。

zkSyncは、ゼロ知識証明として知られる暗号技術に基づくブロックチェーンスケーリングシステムの一種であるzKロールアップをサポートしている。その機能は、ブロックチェーンのトランザクションを高速化し、ネットワーク活動のコストを削減するための重要な進歩であると考えられている。

zkSyncのエコシステムには、融資、取引、借入サービスを提供する分散型金融(DeFi)トークンや、人気の高い犬種をモチーフにしたミームコインの柴犬コイン(SHIB)が含まれている。

DeFi Llamaのデータによると、分散型取引所(DEX)であるSyncSwapとMuteは、ロックされたトークンを3000万ドル(約40億円)以上保有している。MuteのネイティブトークンであるMUTEの時価総額は4700万ドル(約62億5000万円)で、SyncSwapは4月上旬の時点でトークンを発行していない。

SyncSwapのUSDCとETHの流動性プールには1900万ドル(約25億円)以上がロックされており、利回りは年率46%だ。これは4月3日の時点で暗号資産市場で最も高い利回りだ。

ミームコインもまた、その存在感を示している。DEXScreenerのデータによると、zkDoge、zkInu、zkSync SHIBなどのトークンはローンチ以来、数百万ドルの取引高を集めている。ただし、これらのミームコインはこれまでのところ、価格変動が激しく、時価総額も500万ドル(約6億6500万円)以下と牽引力は強くない。

zkSyncの立ち上げは、おおげさな宣伝に比べれば控えめだったと言う人もいる。

SpoolDAOの機関投資家マーケティング責任者であるマイア・ベンジムラ(Maia Benzimra)氏はテレグラム(Telegram)のメッセージで「最近立ち上げられたzkSync Eraメインネットは、ブロックチェーンのエコシステム全体の進化の流れが妨げられないことを示すものだが、それを基盤としているプロジェクトの数の少なさは、Web3.0世界が今のところ、このイノベーションを歓迎する準備が十分ではないことを示している」と述べた。

彼女は、より革新的なプロジェクトがユーザーのために構築されれば、急速に採用が進むかもしれないと付け加えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:DeFi Tokens, Shiba Inu Clones Populate zkSync as Locked Value Climbs to $100M