現実資産(RWA)のトークン化は暗号資産採用の推進力:バンク・オブ・アメリカ

現実世界の資産(Real World Asset:RWA)のトークン化が加速する中、トークン化されたゴールドの時価総額が先月10億ドル(約1330億円)を突破したと、バンク・オブ・アメリカ(BAC)が4月13日に調査報告書で発表した。

トークン化とは、貴金属などの有形資産の所有権をブロックチェーン上に置くことであり、従来のブローカーを介さない取引のため、これらの資産を24時間いつでも売買できる利便性を提供する。

バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は、コモディティ、通貨、株式といった現実世界の資産のトークン化を、「暗号資産採用の重要な推進力」と見ている。

トークン化ゴールドの登場以前は、ゴールド市場へのエクスポージャーを求める投資家は、上場投資信託(ETF)や先物を購入し、現物のゴールドへのエクスポージャーを求める投資家はディーラーを通じて購入することができたが、「これらの投資手段には、コストや流動性に関する欠点がある」と報告書は述べている。

アナリストのアルケシュ・シャー(Alkesh Shah)氏とアンドリュー・モス(Andrew Moss)氏は「トークン化されたゴールドは、現物のゴールドへのエクスポージャーを、24時間365日のリアルタイム決済で管理料や保管・保険料なしに提供する」とし、さらに、最低投資額が低いため、アクセスしやすくなり、「細分化によって、以前は不可能だった現物のゴールドの所有権と価値の移転が可能になる」と書いている。

また、貴金属をトークン化することで、流動性が高まり、投資家はポートフォリオのバランス調整を迅速かつ効率的に行うことができるようになると報告書は指摘している。

ゴールドサプライチェーンのトークン化は、ゴールドが特定の鉱山や特定の地域から産出されたという証拠を必要とするESG重視の投資家に利益をもたらす可能性もあるという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Tokenization of Real-World Assets a Key Driver of Digital Asset Adoption: Bank of America