イーサリアム・レイヤー2のTVL、過去最高に

イーサリアム(ETH)の価格上昇に伴い、イーサリアムのレイヤー2ネットワークの預かり資産(Total Value LockedTVL)も上昇し、4月14日には過去最高の100億ドル(約1兆3400億円)に達した。

TVLはその後、暗号資産市場の下落により減少したが、レイヤー2分析サイトL2Beatのデータによると、年初の2倍以上となる約92億9000万ドルを維持している。

TVLは、DeFi(分散型金融)プロトコルに預けられた暗号資産の価値のこと。TVLの上昇は、レイヤー2に対する関心の高まりを反映している。

L2Beatのデータによると、ETHが2100ドルを超えた4月中旬には、約500万ETH(100億ドル以上)の価値がある)が預け入れられた。その後、ETH1900ドルを割ったため、TVLは過去5日で10%減少し、現在の水準となった。ETHが1200ドルを割っていた年初は、TVLはわずか41億ドルだった。

L2Beat

メッサーリ(Messari)のリサーチアナリスト、ステファニー・ダンバー(Stephanie Dunbar)氏は、レイヤー2ネットワークのTVL急上昇は、需要ピーク時のイーサリアムの取引手数料の高騰を避けたユーザーが、より安価なプラットフォームを選択するようになったためとCoinDeskに語った。

アービトラムのドミナンス

L2Beatによると、アービトラム・ワン(Arbitrum One)はレイヤー2のシェアの66%以上を占めているという。オプティミズム(Optimism)が20%以上のシェアで続いている。

データサイトのArbiscanとEtherscanによると、今年、TVLで4番目に大きなアービトラムは、1日あたりのトランザクション数でイーサリアムブロックチェーンを上回った。3月の1日あたりの平均トランザクション数は120万件、一方、イーサリアムは110万件だった。

関連記事:アービトラムのトランザクション、トークンのエアドロップを前に過去最高に

暗号資産データ企業カイコ(Kaiko)のリサーチアナリスト、リヤド・キャリー(Riyad Carey)氏も、アービトラムが先月行ったトークンのエアドロップなど、レイヤー2の盛り上がりに注目している。

「エアドロップ後、アービトラムのユーザー数とトランザクション数がどれだけ維持されるか興味深い」と同氏は述べた。

またTVLは暗号資産の価格に依存するため、問題のある指標だと考えていると付け加えた。これまでも、TVLと暗号資産価格は連動して上昇している。

暗号資産運用会社Hashdexのリサーチ責任者、ペドロ・ラペンタ(Pedro Lapenta)氏は「どのような分析においても、1つだけの指標では全体像を知ることはできない」ため、TVL以外にも取引高などの他の指標と合わせて分析することが重要と指摘した。

ZKロールアップへの関心

新たに登場したゼロ知識証明(ZK)ロールアップのzkSync EraとPolygon zkEVMは、TVLが過去1カ月で最も急速に成長、Polygon zkEVMのTVLは518万ドルに達した。直近の1週間で14%上昇している。一方、ZkSync EraのTVLで2億4000万ドル、1週間で0.2%増加。

ただしZKロールアップは「高度なセキュリティと速いファイナリティタイム」を理由に、一般的には「最高のスケーリング技術」と考えられているが、その複雑な技術設計を考慮すると、EVMとの完全な互換性を実現することが課題として残っているとダンバー氏は付け加えた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:L2Beat
|原文:Ethereum Layer 2 Networks’ Total Value Locked Hovers at Near-Record High, Data Shows