ビットコイン、2万6500ドル割れが続く

ビットコイン(BTC)は5月25日、2万6500ドル以下で推移し、24時間で約0.3%上昇したが、2万6500ドルと2万7500ドルの間の直近約2週間にわたるレンジを下回った。ビットコインはここ数週間、投資家が米債務上限問題を交渉の行き詰まりなど、マクロ経済の不確実性を懸念するなか、2023年の上昇分の一部を失っている。

デジタル資産データプロバイダーKaikoのリサーチアナリスト、リヤド・キャリー(Riyad Carey)氏は「債務上限に関する懸念は、ビットコインおよび暗号資産全般に明らかに重くのしかかっている。暗号資産に具体的な上昇要因があまりないため、ここ数週間はレンジ相場が続いている」とCoinDeskに語った。

キャリー氏は、ほぼ1年後に迫っている半減期まで、短期的にビットコイン価格が劇的に変化することはないと考えている。「もちろん、規制の進展によって、状況が変わる可能性はある」。

ビットコインの1週間の価格推移(CoinDesk)

イーサリアム(ETH)は1812ドル付近、24時間で約0.3%上昇。他の主要暗号資産では、ポリゴン(MATIC)は2%上昇した。暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は0.46%上昇。

株式市場では、半導体大手エヌビディアがAI(人工知能)分野の成長により売上が増加すると述べたことでハイテク株が上昇した。ナスダックは1.7%、S&P500は0.9%上昇。ゴールドは過去最高値を更新してから1カ月も経たないうちに下落を続け、1959ドル付近となっている。

だがほとんどの資産は、25日に発表された雇用データで動くことはなかったようだ。失業手当申請者数は22万9000人と予想の24万5000人を大きく下回り、米GDP(1−3月期)改定値は上方修正の1.3%増、3四半期連続のプラスとなった。

だが、債務上限問題をめぐる交渉は多くの市場関係者が注目していることに変わりはない。「現在、あらゆることが債務上限問題にかかっており、何らかの解決策が見つかるまでは、ビットコインが年初来のように上昇することはないだろう」と債券市場プラットフォームUmeeの共同創業者兼CEO、ブレント・シュウ(Brent Xu)氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Lingers Below $26.5 Amid Debt Ceiling Worries